徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

メタルダーについて

今週のお題「わたしの好きな歌」

 

以前にも救われた超人機メタルダーのOPテーマ「君の青春は輝いているか」に、最近また救われました。

 

日記でこんなことを言うのもなんですが、完全に個人的な話。

ぼくは13歳くらいのころには、自分は化学で食っていくんだという認識があり、そっから博士号を獲る27歳まで、本当に化学一筋の生き方をしていました。

中高の選択科目はなるべく化学に役立つものを選び、高校の余暇で危険物取扱者免状を取得し、大学は理学部化学科。

そして博士課程までの間、授業をさぼるとか都市伝説だろと思いながら、できるだけの学習と修行を行いました。

メーカー入社後は材料開発を主とした開発部門に配属され、そこに根を生やしました。

が、入社6年目に新設の技術開発部署に異動が決定。

それでも当初は材料開発の仕事に勤しみましたが、2年ほど前からあるチームでプログラミングに近い仕事をすることになりました。

化学は生業。本質。

プログラミングは趣味。特技。

どっちでも天職といえば天職ですが。

今から18年ほど前に、ネット上のみで交友のあったある方からいただいた言葉がつねに引っかかっていました。

 

「趣味は仕事にしてはいけない」

 

と。

 

たぶん、趣味と仕事がイコールになってしまうと、逃げ場がなくなってしまうというほどの意味でしょうか。

現在でいえば在宅ワーカーが陥るという問題と近しいものを感じます。

生活空間が仕事と混和してしまうと逃げようがなく、心をむしばまれるとか、そんなあれ。

そしてまた、自分は国から「博士」という称号を頂いた化学者であるという矜持が、枷となっている気もしていました。

 

ただそれだけならまだよかったのですが、チーム内でどうしても回避できない人間関係的な摩擦もあり。

いつしか、材料開発の仕事に戻りたいと思い始めていました。

つまりは人事異動ですが、ふつうはそんな個人的な理由での移動は認められません。

自慢じゃないがプログラマとしてそれなりの結果を出してしまっていることさえも過失に思えました。

だめか。

でも。でも。でも。

そんなとき思い出されたのが、あの一節でした。

「人の運命は誰にも見えない。自分で切り開け。甘えてはいけない。」

 

はたから見りゃそう見えんかもしれませんが、ぼくは人に会って話すのが、苦手と言うか、可能な限り避けたい系です。

でもそれじゃ何も始まらんと。

この歌の一節ははっきりと言っています。

悩みましたが、元いた材料開発部署の課長、現在は昇進して部長になっている方に会いに行き、現状を正直につたえました。

その結果。

「君には悪いけど、それは俺にとって朗報だ」

「実は君を呼び戻したいと思っていた」

との言葉を頂けました。

そして自部署の部長にも話を通してもらい、自分からも説明に行き、異動が実現。

今月より、材料部署での勤務が始まりました。

 

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ。

といえば大げさですが、やはり膠着は行動でしか解決できないし、言葉にしてみれば案外伝わるし、駄目だと思っていたことが存外うまく進むこともある。

自分で切り開け。甘えてはいけない。というのは、厳しい言葉ではなく実は可能性を示す優しい言葉なのではないか、とか。

 

徒然狸 ―タヌキの日記―

 

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遠い目になった件について

カード類を整理していたらあの日救急外来でつくってもらった診察券が出てきまして、なぜか生年月日の一部の「8」が「6」に誤記載されていました。

左肩を粉砕骨折して右手は血まみれだったので、書いた字が汚すぎて読み間違えられたのか、

動転してて自分で書き間違えたのか、

山の中ののどかな病院にガチ怪我人が来て動転した先方が入力し間違えたのか、

想像が広がりんぐ。

 

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みたび煮てやることについて

例の煮魚レシピ、家に砂糖がないのでみりん多めのカスタムにしていましたが。

至高のおでん作製の時に買った中ざら糖がそのまま残っていたので、さらにカスタム。

あと少し前に羅臼昆布も買ったので使ってみる。

羅臼昆布は利尻昆布に比べ、煮汁が濁ってしまう反面、濃厚な出汁が出るんである。らしい。

 

煮魚(中ざら羅臼カスタム)

1.鍋に水300 mlを入れ、羅臼昆布1枚(5 g相当)をひたし、中火にかける。
2.なべ底に気泡がいっぱいついてきたら昆布を除去する。
3.みりん45 ml、醤油60 ml、中ざら糖大さじ2を反応系に投入し、ひと煮立ちさせる。
4.魚を反応系に投入。

  複数入れるときは1枚ずつのんびり入れないと分子間力でひっつくので注意。
5.落し蓋をし、ついでに鍋のふたもする。
  落し蓋がない場合はキッチンペーパーでもよい。
6.沸騰状態を保つ程度の弱火で20分放置する。
7.火からおろし、10分放置する(煮含め効果で味がしみこむ)。
8.喰う。

 

あ、望んでいた完璧な味になったかもしれん。

 

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話の聞き方について ~なんでお前なんかにそんなこと言われなきゃいけないのかというのは置いといて~

べつに説教臭いことでも小難しいことでもなく。

そいつの話の聞き方を見れば、相手の経歴、特にプレゼンテーションの経験、アカデミアでいえば授業をした経験の多寡をはっきり判別できます。

・・・簡単なことです。

壇上に立ち話をしているとき、聴衆の中でうんうんと頷いて見せるとか、話の内容で表情を大きく変える人間は、十中八九、同じように壇上に立った経験がある。

そんな「気がします」(笑)

 

学生時代に他大学で教員をやっていたことがあります。

具体的には化学実験で、15人くらいのグループを受け持ち、最初の導入説明から後片付けまで実験の実技指導をしました。

(豆知識! 後片付け・・・洗浄技術は化学の奥義の一つなのだ。実験器具を「化学的に完璧に綺麗に」するためには一生かかるぞ!目的に応じてどうやってどの程度洗えばいいか考えないといけないのだ)

学生実験ですから最初からどんな結果になるかはわかっている実験内容ですが、話の中身は専門知識の応用ですからなかなか難しく。

何をどう説明するか事前に準備してはいるものの、きちんと理解してもらうためには、現場で相手のリアクションを観察しながら、ここはもう大丈夫だとか、ここはもう一つ例を挙げなきゃとか、判断が必要になります。

偏差値70越えとか混じっているような、こっちより数段勉強ができる学生たち。

真剣に聞いて、理解しようとしているのはわかります。

しかしそのリアクションの乏しいこと。

頭を高速回転させている故に、自分の体、表情筋その他のコントロールがおろそかになっているイメージです。

こちらの、馬鹿丁寧なまでに噛み砕いた、はずの、説明を分かってくれてりゃいいですし、頭のいい学生群ですからわかってるんでしょうけど。

それでも能面のようなノーリアクションでは不安になります。

 

逆に言えば、自分が壇上に立ち、話をした経験があれば、敵対していない誰かの話を聞くときには相手を安心させるため、自ずとリアクションが大きくなるんでは?と思うのです。

 

例の件で新入社員に話をしたとき、明らかにリアクションの大きいやつ、能面のやつの2パターンおり。

少数派のリアクション民に心を救われた気分でした。

だってー。

どうやったら仕事がおもしろくなるかーって話をして、実例としてゲーム画像まで出してそのキャラクターのマネまでしながらしゃべってて、能面でいられたら死んじゃいます。

(人事に怒られるんではとおもったけど今のところ無事)

 

噺家殺すにゃ刃物はいらぬ あくび三つで即死する

 

なんて都都逸もありますが、まさにそんなです。

でまあふと思ったのですが、もしかしたらリクルーター相手の会社説明会なんかでも、人事担当はそういうところを見て、経歴を推し量っているのかもしれませんね。

オチはないです。

 

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ふたたび講演について

どうやら今月は講演のあたり月らしいです。

新入社員向け1時間の講演依頼で頭を抱えていたら、今度は子供向け2時間の講演依頼が舞い込む。

勤務先で発生したイベントならまだ分かりますが、今回は友人経由で回ってきた、市民活動イベント。

人生にはこういう隠しイベントも存在するんですね。。。

とりあえず僕にできそうな授業内容と、先方のニーズが一致したので受諾しました。

あとはもう、周囲の先生・学者のみなさんにご協力いただき内容を練るしかありません。

しかし2時間・・・うーむ。

完全に異次元の時間尺で、しかも子供相手。

ぼくと子供たち、お互いに地獄の時間にならないように頑張らねば。。。

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俳句鑑賞の私的起源について

重大発表。

次の元号には「安」の文字が入ります。

当たってたら誰か何かください。

できればビールがいいな。

こんにちはわたしです。

 

さてこのところ鑑賞の記事ばっかですが、そもそもなんで鑑賞なんか始めたのかをふと、思い出しました。

高校の国語の授業で習ったのがきっかけです。

・・・正確には、授業で教えられた俳句鑑賞の内容を全く聞いておらず、いざテストで鑑賞文を書けと言われ授業の内容とは関係ない(と思われる)勝手な鑑賞文を書いたところ、マルをいただいたのがきっかけでした。

 

「かりかりと蟷螂蜂の皃(かほ)を食む」山口誓子

 

これをわたくしは勝手に、

・本来カマキリがハチを、しかもその顔を食っている様などグロテスクこの上ない。

・しかし読み手は眩しい夏の自然の中に見たこの光景を、ある種すがすがしいものとしてとらえた。

・その感覚が「かりかり」という乾いた小気味よい擬音によって表現されている。

などと鑑賞したことを覚えています。

今思えば、授業でどのように解説されたのか聞いておけばよかったと心底思います。

 

当時、授業を受ける態度はひどかったですね。

騒ぐ暴れるではなく、理化学系以外はどうにも興味が持てず、ほぼ寝ていたような。

国語に関しては、わたくし御幼少のころより結構な読書屋さんだったため、文章に対して自分なりの感想・感覚を強く持っており。

「作者はこう思ってこう書いたのだ」などと言われても、だからどうした俺に関係なかろうなどと感じていました。

親父の説教と冷酒などといいますが、学校の授業と激辛料理も後から効きますね。

まさか大人になって、国語を、数学を、日本史を、漢文を、真面目にやっておけばよかったなどと思うことになるとは・・・。

 

なんでまあこんなことを思い返したかと言えば、4月頭に新入社員むけに講演をしろと仰せつかりまして。

持ち時間、60分間。

もうね、どうしろと。

一応、メインの題材は先の社内技術発表で賞を頂いた新技術の説明ですが、その発表資料は20分用につくられています。

新入社員向けなので懇切丁寧に解説を加えながら引き延ばしてもせいぜい、35~40分でしょうか。

というか、学会発表とかもふつう15~20分なので、そもそもが60分という公演時間が完全に未知。

うーむ。

一応、新入社員に伝えたいことはあります。

仕事は楽しくなければならない。

楽しくなかったら何かがおかしいと疑え。

その方法論は「課題の自己流解決」。

学校で習ったことは社会に出れば役に立たないなどという間抜けな意見があるが、それは学校で何も学ばなかった人間のいいわけである。

小学校から大学まで学んだこと、すべてが仕事に役に立つ。

いや学校だけとは言わん、趣味でもテレビゲームでも、全部役に立つ。

それら知識と経験を駆使して、自分なりの方法で課題解決をした瞬間、貴官らは仕事が楽しいと感じるであろう。

というようなことを、実例を交えて話そうかと。

思うのですが。

それでなくとも寡黙で、普段だまーって黙々と静かに淡々と任務遂行にあたるわたくしのこと、このネタで果たして何分稼げるのか全く謎。

かといって予行演習をするほどの気迫もなく。

話すことを並べただけのスライドをカンペ代わりに作ってぶっつけ本番で臨む所存です。

 

もうどうにでもなぁれ☆

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あの日あの時について

平和ボケの極致にあった日本人が叩き起こされたあの日から、8年。

つまり、ぼくが社会人になって8年。

生まれた子供が小学校になじむほどの年月を経て。

たしかに新しいこと、新しい技術、新しい知識を会得しましたが。

これっぽっちが8年間のてめえの成果かと。

 

かなえたい夢もあった

変わりたい自分もいた

 

 

そんな喪われた人々の思いを背負ったと言えるほど、

生き残って恥ずかしくないほど、

砂を噛んでも反吐を吐いても前進してきたのかと、

言われれば地面を見るしかない。

 

もっと、もっと、ガガッと

頑張らなきゃいけない。

 

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