というわけで、約1年前にはんだ付けで遊び始めたわたくし。
その後、中国サイトから電子工作キットを格安で買いあさり、ラジオだのゲーム機だの金属探知機だのアーク放電装置だの直流安定化電源だのその他もろもろもろもろ。
アホのように作りまくりました。
おかげで家の中がガラクタの山です。
しかし、それもそろそろ終わりを感じていました。
中国の通販サイト「アリエクスプレス」は広大ですが、それでもあらかた作りたいものは作りつくしてしまいました。
困った。はんだ付けがしたい。もはや中毒です。
ところで、半年前からYoutubeで電子工作というか、わざわざ壊れた電化製品を買ってきて修理する通称「ストリートジャンカー」の動画を見るようになっていました。
素人目に見ると魔法です。
そりゃ、ごつごつしたでかい機械だったら、なんだか大雑把な観察眼でも異常個所を発見できそうな気がします。
しかし彼らは、任天堂switchみたいな超精密機械を鼻歌交じりで分解して異常個所を見つけ出し、ゴマ粒より小さい部品を交換して見事直して見せます。
おじーなんかは「俺文系だしなんだよこれ全然わかんねー」とか言いつつ、きっちり直しちまいます。
まあたまに火を噴いたりもしてますが。
とにかくすごいのです。
で、こんな動画を毎日みていると、洗脳されてきます。
なにかが故障したら買い替えるか、メーカー修理か・・・と思っていたのが、
これどうやったら修理できるかな?とりあえず分解するか!
という思考になってくるんです。
で。
家にある小型家電を分解して修理しようとして失敗したり、失敗したら開き直って魔改造し始める。
図1.音量を上げるためにアラームを外装された哀れな温度計
図2.トルクチューンモーター搭載&電圧2倍の超強力鼻毛カッター(危険)
そんなこんなをやっていると、会社でも嗅覚が働いてくる。
……電源の接触が悪い電子天秤を発見。
DCジャックのちょっとした接触で電源が落ちて使い物にならぬ。
まあこの手のはあれでしょう。
ACアダプタの断線、よくある奴です。
断線箇所が分かったらそこをぶった切って、接ぎ木の要領でコネクタを再接続してやればいい。
原因究明のため、家から電圧可変式のACアダプターと、世界中のどんなDCジャックにもたいてい接続できる多種多様なDCコネクタセットを会社に持ち込む。
図3.どこのご家庭にもあるやつ。
で、いろいろ調べた結果。
どうやらACアダプタに異常はないらしい。
一応ACアダプタも分解してみたが、これと言って異常なし。
ということは、電子天秤側のジャックがおかしいのであろう。
この手のジャックはふつう、基板上に直接はんだ溶接されている。
そのはんだ溶接にクラックが生じて導通不良になっているのだろうと推定した。
ならばはんだ溶接を直してやれば治るはずである。
というわけで鼻歌交じりに分解。
図4.接触の悪い電子天秤。30年物くらいだろうか。
図5.接触の悪いDCジャック。
図6.分解分解~♪
図7.らんららんらら~ん♪
図8.くだんのDCジャック。基盤の裏側で溶接されている。
図9.DCジャックの裏側。3つの端子がはんだ溶接されている。矢印で示す端子には、根元に黒い亀裂が走っているのが見える。これがはんだクラックである。
つまり、はんだ溶接された部分が割れてるんですな。
ジャックにはコネクタを刺すときに負荷がかかるため、こういう不具合が起きやすいのです。
もちろんそれを見越して、DCジャックの端子は大きく設計されていて、多量のはんだで溶接できるようにしてありますが、まあ経年劣化には勝てません。
直し方は簡単。
割れたはんだをはんだごてで融かし、新たにフラックス入りはんだを流し込みながら溶接しなおすだけ。
5秒くらいの作業で、おいらのような初心者でも簡単にできるのです。
ラッキーな簡単故障でした。
ここ最近ではさらにもう1台、壊れた電子天秤を発見。
どうやら電源スイッチがおかしいようなので、おうちに持って帰り、新しい電源素子(4円くらい)に交換してやったらこれも簡単に治りました。
いやまあ趣味ですがね、こういった精密電子天秤って普通に5-10万はします。
しかも古いモデルだとメーカー修理は不可。買い替えることになります。
それが、ちょっとの手間と数円の部品で治る。
……面白いですよ。こっちにおいでおいで。
徒然狸 ―タヌキの日記―
筆者は盲導犬を尊敬し、個人的に応援しています。
中部盲導犬協会:http://www.chubu-moudouken.jp/中部盲導犬協会ほしいものリスト:Amazon.co.jp
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