徒然狸 -タヌキの日記-

明けぬ夜の燈明

感謝について

今週のお題「感謝したいこと」

 

社歴

入社と同時に先行開発部署に配属

5年以上経ち、新設の技術開発部署に異動

異動1年後より2年間、プログラミングを含む設備開発に従事

断続的な、パワハラ風の問題に遭遇

根回しの結果、元の先行開発部署に回帰

 

でまあ、つらいことも多かった技術開発部署時代ですが。

はっきり言って、学ぶことも非常に多かった数年間でした。

入社当初からいた開発部署とは、つまり今会社にない新しい技術を取り入れ実用化していくのが仕事です。

成功率より失敗率のほうが高いのは当たり前で、明確な期日を切られるわけでもなく、研究者的な、時間の流れを度外視した基礎研究が許される部署。

そりゃ、科学者の自分は楽しく思っていましたが、他方、技術者としての自分は実績を上げることの頻度の低さを不安に思いもしていました。

 

そして技術開発部署へ。

任務は、すぐにでも生産に適用できる新技術を開発すること。

自分の仕事には、それをどの製品に適用できるかという目標が設定され、文字どおり日進月歩の実績が求められる。

科学者としての感覚にとって、それは重荷でしかありませんでした。

しかし技術者として、自分の考え、編み出した技術が即、現場に適用されていく、その感覚は確かに高揚感を孕んでいました。

 

毎日のように問題にぶつかります。

科学者の自分は、その問題を解決するのはいいが、解決法は確実なものでなければならないと信じています。

しかし技術者の自分は、現場の苦労を知っています。

早く何とかしなければいけないな、と、それでもその頃は他人事のように思っていました。

そんな進めずにいたとき。

気の合わない上司に言われた一言は、いまも僕の中に大切に息づいています。

 

「建設的に考えろ」

 

陳腐な言葉ですが、実際自分の問題になったら、なかなか難しいもんです。

問題がある。

解決策になりそうなことがある。

短期的には解決できそうだ。

だけど長期的にみると、とんでもない問題が起きそうだ。

さあどうする。

 

科学者の自分は、もっと時間をかけてデータを蓄積するべきだと言います。

それはリスキーだ、問題が爆発したらどうするんだ。

技術者の自分は、何でもいいから今やるべきだと言います。

現場はいま、お前が悩んでいるときも困っている、助けてやれ。

さあどうする。

 

建設的に考える。

人間、なにをやってもリスクはある。それに思い悩んでも仕方がない。

今できることは何なのか、それをまず考える。

その結果あとから生じるリスクは、あとからカバーできないのか、検討する。

「とりあえず行動する。発生する問題は力づくで解決していけ。時間はどんどん過ぎる。今できることをしろ。」

これが、ぼくが彼から学び取った、建設的なやり方です。

 

ずいぶん乱暴に思えるかもしれませんが。

現場の人間の身になってみれば、たぶんこれは限りなく正解に限りなく近いのだと信じられます。

現場では、とにかく目の前で困っている、いま自分の身に降りかかっている問題を、今この瞬間に解決したい、と思っています。

というかそうでないと、製造業は成り立ちません。

その結果生じる未来のリスクは、また別問題なのです。

別問題なのだから、別件としてこの後に取り組めばよいこと。

技術開発をする側も、それに同調しなければならんのです。

今は今を見て頑張る。

未来のリスクは、今が過ぎた後に頑張って食い止める。

要は、自分が頑張ればいいんだと「腹をくくる」。

 

科学者としては外れていると思える、新しい考え方を確かに受け取りました。

だから過去にあったことは別にして、彼には心から思っています。

ありがとうございます、と。

 

徒然狸 ―タヌキの日記―

 

筆者は盲導犬尊敬し、個人的に応援しています。
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