日本語の師として浅田次郎を崇めており、一方で新田次郎の描く山の質感が大好きです。
時代もテーマも作風もまったく異なる両者ですが、ひとつの共通点がありまして。
花が好きとのこと。
浅田次郎曰く、部屋に花を飾るという行為は自然の一部を切り取って自儘にする、非常な贅沢であるとのこと。
若き頃、食う金に困っても部屋に飾る花だけは買っていたとエッセイにありました。
一方の新田次郎はその著作に「白い花が好きだ」というものすらあり、高山植物から身近にみられる春紫苑まで、さまざまな花をテーマにした作品を遺しています。
好きな人に非常に感化されやすいワタクシは、これらの著作を読んでからというもの、道端の花に注意を払うようになり。
通勤経路の家の玄関先にスノードロップを発見して興奮したりしています。
こんにちは、変態です。
で。
ボランティアと言えばかっこいいのですが、休日に恩師の手伝いでイベントスタッフというか、ステージに立ったりしていまして。
今日のステージ、最後に花束と記念品を頂きました。
記念品は手作りのグッズ。
実用性非常に高いので愛用させていただきます。
そして花束。
おお、どうしようと思いましたが、心の師匠 浅田次郎の一節が蘇る。
商売柄、花束を頂くことが多くあり、あれは儀礼的なものなのでおいて帰る方もあるが、私は必ず持ち帰り部屋に飾る。と。
よっしゃと3時間弱の帰路、大切に持ち帰る。
ただ、花束を生けられるほどのちょうどいい容器はないので、ペットボトルを加工して即席花瓶を作製。
茎を少し切ってやり、生ける。
以前、絵を買ったときも生じた感動ですが、部屋の空気が変わります。
そして意外だったのがカスミソウの効果。
花束の状態では、彩度の高いガーベラの引き立て役にしか見えていなかったのですが、生けてみるとその白い花よりも、繊細な茎の部分にその価値を見出しました。
・・・盆栽の鑑賞の仕方をご存知でしょうか。
あれは、大自然を小さなスケールにそのまま写し取るような、箱庭のような世界観がひとつの楽しみ方だと思っています。
つまり、大樹をかたどることで、小さな面積に大きな世界をイメージしているのです。
カスミソウの茎は非常に細い。
面積にして、ガーベラの茎の数百分の一しかありません。
つまり相対的にガーベラがより大きく見えます。
きれいな花に、壮大な自然を見ている感覚が加わるのです。
うん。
それだけ。
徒然狸 ―タヌキの日記―
筆者は盲導犬を尊敬し、個人的に応援しています。
中部盲導犬協会:http://www.chubu-moudouken.jp/
日本盲導犬協会:http://www.moudouken.net/