徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

絵について

 

 
絵を買っちゃいました。てへっ!
うーむ。
 
思い起こせば去年の晩秋のころでしたか、上野公園に行きまして。
無論、ミッションで。
その時に露店がいくつか出てまして、どこかの芸大の学生の店がありました。
そこで絵ハガキサイズの油絵、夕焼けの空を描いたものを見つけ、よほど買おうかと思ったのですが、なんだか絵を買う自分というものが異質に思えてそのまま立ち去りました。
それから数か月。
自分の好きな絵が壁にかかっていたらどんなだろう。
いつでも大好きな風景が見られるってどんな気持ちになるんだろう。
などと思いが募る。
もちろんその時に見た絵はもう二度と巡り合うことはできないでしょう。
そう思うとますます絵を買うということが心に沈み始めました。
 
・・・ちなみに絵を見て最初に欲しいと思ったのは、2010年、K大にいたころ。
教授が大きなカラーの版画を買ってきて、自分の部屋に飾りまして。
風景画なのですが、全体的に風を感じられるような動きがありました。
そんなわけで風の絵がほしいとおもいネット上を散策。
意外というか、実に様々な絵がネットで売られてるんですね。
なかでも近代アート的な?抽象画が多いようで、なかなかこれぞという絵が見つからなかったのですが。
やがて素敵な風景画を発見。
しかもその作家の作品を一覧で見てみると、風を描いたものがありました。
よしこれだと思ったのですが、いやまてと。
この作家の絵はどれも素敵で、なんというかその場の土や草、風の匂いが感じ取れるような作品ばかり。
念のため、すべての作品を念入りに眺めてみると。
一段と空気の匂いがする作品がありました。
冒頭に貼った絵です。
草むら越しに茜の空を見やる風景。
少し湿った土の匂い、青い草の匂い、湿度を下げて少し涼しさを含み始めた風の匂い。
そういうものが自分の中に、一度に入ってくるようで。
風の絵と夕日の絵。
そう気軽に買える価格ではないのでひと月近く悩み。
けっきょく夕日の絵を購入しました。
白い壁が淋しいので飾りたいと作家に伝え、額縁とマット(絵と額の間の厚紙)を選んでいただきました。
 
良い絵を飾ると部屋の空気というか、マトリクスの質感が変わります。
懐かしい想いを映し出す素敵な窓ができたような。
不思議なもんです。
  
徒然狸 ―タヌキの日記―
 

筆者は盲導犬を尊敬し、個人的に応援しています。
https://www.moudouken.net/





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