毎度おなじみお~いお茶新俳句大賞。
受賞から遠ざかって久しいですが、今年も挑戦します。
ちなみに今年は5句の応募。
・正月の帰郷
・早朝出勤の風景
・夜の雲
・夏への郷愁
・広々とした田舎風景
です。
ところで前回の大賞句。
毎度のことながら大賞句は桁違いにすごい。
獅子舞の 口へ 太平洋の風
せっかくなので鑑賞してみます。
この句のすごさは、場面転換です。
獅子舞
この単語は見た人の中に、それぞれ自由なお正月の風景を瞬時に湧き立たせます。
それはたぶん多くの場合、とても幸福な絵柄として静止画になるでしょう。
しかしそこに「太平洋の風」と置かれることで、一瞬にして想像の風景は海原に置き換わります。
反射的に、自分が思い描いていた正月の風景と、海との調和が図られるのではないでしょうか。
つまり、自分の過ごすお正月と、海。
自分の家が海のすぐそばにあり、その道端で行き会う人人と、正月を祝っている。
そんな風景が醸成されます。
自分の家が海辺にある、大部分の人にとってそれは、夢の中で見るような不思議な光景で、一度はあこがれた風景で。
そんな懐かしい幻想を、一瞬で、一瞬だけ、見せてくれる。
魔法のような俳句。
徒然狸 ―タヌキの日記―
※後記
意図か偶然かしれませんが、もう一つすごさが見つかりました。
俳句と言うのは五七五の区切りから成りますが、この句は
獅子舞の|口へ太平|洋の風
というような構成になっています。
太平洋 という大きな言葉が
太平|洋という用いられ方をしたことで、日本人の意識の中にだけ現れる、ゼロ秒の区切り符が含まれ、より大きな言葉に膨らんでいる。
うーーーん。。。。。。。
筆者は盲導犬を尊敬し、個人的に応援しています。
中部盲導犬協会:http://www.chubu-moudouken.jp/
日本盲導犬協会:http://www.moudouken.net/