徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

イギリス・ドイツ出張記 その2

で、出張二日目。
日本の時差はイギリスから見てマイナス9時間、つまりほとんど昼夜逆転です。
往路の機内ではなるべくイギリス時間に合わせて寝起きしていたのですが、それでもジェット・ラグのせいで3時過ぎに起床。
仕方ないので肌身離さず持っているkindleで読書、時間をつぶす。
 

【豆知識】
機内持ち込み手荷物にパソコンを入れておくとX線で引っかかりますが、kindleは検知されません。
出国から入国まで、三カ国で計5回の荷物検査の際、kindleを入れっぱなしにしましたが完全にスルーされました。
電源を入れて見せろとかそういうこともなかったので、おそらく、ほとんど非金属物体として認識されているのでしょう。

 
0700時になるのを待ち、バイキングの朝食を頂く。
イギリスで良い食生活を送りたければ朝食を一日三回とればいい、なんて迷言もありますが、なるほど無難においしい。
焼きたてのバゲットとパン切り包丁が置かれていたので、適当に切り分け。
スクランブルエッグの類やハム、チーズの類、なんだかよくわからない肉っぽいもの、フルーツ盛り合わせ、などを貪り食う。
 
食後、迎えに来ていただいたM氏の車で現地工場に入る。
おお。外国人がいっぱいだ。
ていうか、その日いた人間はM氏いがい全員外人。
よくもまあこんな環境で普通に仕事ができるもんだと素直に尊敬する。
僕だったら二日目くらいからヒキコモリになります。
 
工場は、生産拠点としては小ぶりながら、国内拠点より明らかに管理レベルが高い。
現会長直伝の工場の見方ですが、壁際の隅っこや設備の裏側を見るとその工場の管理レベルが一発でわかるのです。
物が多く、大型機械が立ち並ぶ巨大空間である工場は、とにかく物影にゴミがたまったり、邪魔なものをなんとなくおいてしまったりしがちです。
しかし、5Sがきちんとできている工場であれば、その隅っこまでこぎれいに片付いている。
そのレベルまで5Sができていれば、自然と工程内もシステマチックに構成・管理されていて、人間の動きに無駄がなく、機械のちょっとした不調を放置しているようなこともない。
隅っこの綺麗な工場は、すなわち立派な工場と言えます。
 
実際その工場は管理はほとんど先進的と言えるレベル、製品の質もよく、人間も礼儀正しく、工程改善どころか設備の自動化まで独自に進めているときたもんだ。
ただまあ、毎日ド大量に生産をしている以上、問題は必ずありまして。
その拠点では新材料を使ったある製品を生産しているのですが、どうも材料起因と思われる問題が発生しており、ちょっと緊急に対応が必要なレベル。
品質に問題はないのですが、設備のダメージが異常に大きく、頻繁な整備を余儀なくされており生産を圧迫してしまっています。
こういった問題はうちの開発部門に持ち込まれればそれなりに検討・解決しようはあるのですが、海外拠点だとなかなか情報が届かず。
僕の様な半端技術者でもいいから、御用聞きのつもりで顔を出すことはそれなりに意味があることを学びました。
 
徒然狸 ―タヌキの日記―
 

筆者は盲導犬を尊敬し、個人的に応援しています。
https://www.moudouken.net/





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