徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

アポトーシスとアノイキス

アノイキスについて学んだ。
 
細胞には接着性と浮遊性の二種類がある。
例えば体が形を維持しているのは、体を構成している細胞同士がくっついているためで、これらの細胞は接着性である。
赤血球はひとつひとつがばらばらに存在しており、これは浮遊性の細胞である。
また、アポトーシスという現象があるが、これは一般に、不要になった細胞が自殺することをいう。
接着性の細胞は、隣の細胞や基盤から引きはがされて浮遊状態になるとアポトーシスを起こす。
これはおそらく、剥がれた細胞が見知らぬ場所に迷い込んで周辺の組織に混乱を与えるのを避けるため、自爆しているものと思われる。
この、接着性細胞が引っぺがされて足場を失ったときに起こるアポトーシスを、特にアノイキスと呼ぶ。
 
接着性細胞は、インテグリンという分子を経由して何らかの基盤に接着している。
そして基盤とインテグリンとの接続が切れると、細胞は浮遊状態になる。
現在、インテグリンには25種類以上が確認されているが、そのうちのある特定の種類のインテグリンが基盤から外れると、アノイキスを誘発するシグナルが発信され、それはFAK(フォーカル アドヒージョン キナーゼ)などいくつものキナーゼ(細胞内情報伝達分子)を通じて核に伝わる。
そして細胞はアノイキスを起こすのである。
ちなみに、どの種類のインテグリンがアノイキスのトリガーになるかは細胞の種類によって異なる。
 
以上、よいこのアノイキス概論でした。





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