徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

アポトーシスとネクローシス

本日、四日目の細胞回収日。
結果。
な、何故全滅しているんだ……。
一日目はあんなに元気だったのに……。
ただ、グラフにしてみると、以前の実験と死に方は明らかに異なっている。
ただ緩慢になっているだけではなく、下に凸の曲線で死んでいたものが、上に凸の曲線に代わっている(命名『死に様曲線』)。
以前の実験条件ではどう考えてもネクローシスを起こすであろうという着想から、今回の条件ではなるべく細胞にダメージのないように配慮したつもりである。
アポトーシス:自殺、ネクローシス:事故死)
なら、死因がネクローシスからアポトーシスに変わったのだろうか。
……アポトーシスを起こすと考えられる要因はもともと存在する。
ただ今までの実験条件は苛酷で、アポトーシスが誘発される以前にネクローシスが起こっていたはずなのです。
それが今回の条件ではちゃんとアポトーシスで死んだため、死に様曲線が変化した、と考えるのが一番リーズナブル。
しかし、アポトーシスによる細胞死はこれほど緩慢なのか?
緩慢さのイメージとしては、細菌のコロニーの真ん中に抗生物質を置いて、細菌が同心円状にだんだん死んでいく感じです。
もしそれが実際に起こっているとすれば、アポトーシスが連鎖状に起っていることになる。
隣が死んだから、じゃあ俺も死のう。
そんなキャシアスみたいなことが起こるんだろうか。
そもそも、この実験ではアポトーシスを起こすと考えられる要因は系全体で均一なため、アポトーシスを起こすならいっせーのせで起こすはずである。
それなら、今回のアポトーシスは四日間をかけてゆっくり細胞(正確にはミトコンドリア)が弱り、死に至っていることになる。
アポトーシスが一体どれほどの速度で起こるのかという記述がなかなか見つからないが、ネット上で見つけた一つの記載には、アポトーシスのカスケードは2〜3時間で進行するとある。
こちらの実験データとは24倍以上の差がある。
では、アポトーシスではなく、ネクローシスなのだろうか。
それは、実験条件がまだ不完全であるか、アポトーシスを起こすはず、というモデルが間違っているかのどちらかである。
どちらもうんざりする。
まったく別の理解が可能なのか。
そもそも研究分野的にここまで思いを巡らせること自体が無駄なのか。
アポトーシスが起こっていることを証明する実験をするべきか、視点をサックリ変更すべきか。
謎は尽きない。
細胞生物学の専門家に相談したくてたまらんです。
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