二日分くらい日記は書いていたのですが、送信タイミングが合わず御蔵入りになっていました。
そして、トラブルはいまだ続いています。
新しいトラブルが続々と起こっています。
まず、培養器の寒天コートの件。
失敗です。
寒天の上はたしかに細胞接着が起きにくいようですが、一部のやつらは頑張って接着し、増殖していました。
しかも、そのうえに置いた基板への細胞接着がばらつきまくり。
ばらつきを無くすための試行だったのに、状況が悪化しました。
もうこの検討は破棄の方向です。
つぎ、基板作りの再現性が取れない件。検討の結果、思ったよりさらに繊細な条件検討が必要なことが判明。
現在、新しいサンプルを仕掛けています。
そして今日、新しいぶーちゃん(細胞)の回収日。
小さな培養器で分化誘導していた細胞を大きな容器に植え替えます。
細胞は容器の底に張り付いているので、タンパク質分解酵素をかけて接着を剥がしてやります。
……剥がれません。
待てど暮らせど一向に剥がれる気配がありません。
普通、酵素処理は10分が上限です。
やり過ぎると細胞がダメージを受けてしまうからです。
でも、全然剥がれません。
これ以上時間的余裕がありません。
下手すると全滅してしまいます。
……数日前に見た、細胞回収に失敗する夢が頭を過ぎります。
血の気が引いていきます。
焦りは指先を震えさせ、無菌作業に支障をきたします。
ダメだもう限界だ。
決断。
酵素処理中の細胞に培地をかけ、酵素処理を停止させる。
あとは、ピペットで培地を繰り返し細胞にかけて(ピペッティング)、水流で剥がすよりしかたありません。
しかし、それでも剥がれない……。
次の決断。
とりあえず、今までの操作で剥がれた僅かな細胞を遠心分離で取り出し、新しいフラスコに移します。
……これで、とりあえずこいつらだけは生き残ってくれるはずです。
そして、いまだ張り付いている細胞は、もう強引に剥がすしかありません。
セルスクレイパーという器具があります。
これは長い棒の先にシリコンの「ヘラ」がついたものです。
文字通り強引に細胞を剥ぎ取る道具です。
この試供品がクリーンブースにあったのを思い出したのです。
他研究室のものですが、許可をとる暇はありません。
借用して細胞を剥ぎ取る!
ピペッティングで可能なかぎりほぐし、遠心分離。
そして新しいフラスコに投入。
……夜戦病院のような時間が過ぎ去りました。
朝一番の一時間の作業で、一日の気力と体力を全て使い果たしました。
午後、フラスコを確認したところ、両方のフラスコで細胞の生存を確認しました。
……生きてました。
いやはや……やれやれ……。
最悪の事態はなんとか免れました。
久しぶりに恐ろしい思いをしました。
ただ、さすがに正しい回収法が知りたいので、メーカーにメールしときました。
やれやれ……。
疲れた
徒然狸 ―タヌキの日記―
減量の結果ジーンズが、チャックやボタンを外さなくても穿いたり脱いだり出来るほどダボダボになったので、新しいのを買いに行く。
ツーサイズ下の通常ジーンズと、ワンサイズ下のソフトジーンズがあったので両方試着。
……なぜか両方フィット。
いや、逆なら分かるんだが……。
意味はわかりませんが、まあ着られればよいので両方買いました。
うーむ。
徒然狸 ―タヌキの日記―