徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

結果と理想

Yナンバーの一日目の結果が出ました。
……想像を越えた結果です。
ぶーちゃん(細胞)の能力をすごい勢いで引き出しています。
その数値、コントロール(標準サンプル)の五倍。
四日目のデータが楽しみです。
 
ただ、蟠りがあります。
研究というものの難しさを感じています。
例えば、今回のサンプルのうち最大値をたたき出している基板は、臨床応用には向かないはずなのです。
しかし、「論文にする」という目的の中では、それなりに有意と言えます。
逆にいえば、アカデミックな世界では評価されても、産業という実用の世界では殆ど役には立たないデータという可能性もあるのです。
それはつまり私の研究が、巨大な百科事典の、殆どの人間の知らない一項目にしかならないということです。
私が理学から理工学に軸足を移したのは、「より実用的な研究」を求めたからでした。
確かに以前よりは産業(特に臨床応用)が視野に入ってきました。
しかし、やはりまた同じ轍を踏んでいる気がしてしまい、この実験を発展させて意味があるのだろうか、などと考えてしまいます。
いつかキャシャリンが「どこかの誰かの未来のために」と言っていましたが、私は「目の前の人の未来のために」そして「人類のために」研究をしてみたいものです。
 
= = =
 
ガリラヤの 風かおる丘で
人々に告げられた 恵みの御言葉を
私にも聞かせて下さい
 
新聖歌第40番。
中学の頃、一度だけ歌った聖歌ですが、とても気に入っています。
検索してみたら、割と人気があるようです。
基本海外には行きたくないけど、この聖歌を思い出すと、キリストの足跡を辿ってみたくなります。
 
嵐の日 波猛る湖(うみ)で
弟子達を諭された 力の御言葉を
私にも聞かせて下さい
 
ゴルゴダの 十字架の上で
罪人を招かれた 救いの御言葉を
私にも聞かせて下さい
 
夕暮れの エマオへの道で
弟子達に告げられた 命の御言葉を
私にも聞かせて 下さい
 
= = =
 
タヌキを叱責しようのコーナー。
タヌキ君、論文の原稿はどうしたのかね。
「すみません、今直しています」
君の英語はひど過ぎるよ。
「ごめんなさいごめんなさい」
それでは、また明日!
「……」





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