徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

故障と故障と秋

本日、改訂した論文を再び出版社へ送付。
さーて、どうなることか、とのんびりしていたら、例の(もう一本の英語)論文はどうした、追加実験はやったのか、とせかされる。
折しも本日、実験で使う電気炉がぶっ壊れたところ。
あー、炉がないんで新しいサンプル作れないんすよね、あはは的に応じたら、
いいから今あるサンプルでなんとかしやがれこんちくしょう
的なことをいわれたので、急遽細胞実験の準備。
とは言っても、細胞が必要な数だけ増えてくれないとスタートできない。
日程的には明後日スタートがベスト。
細胞数は15%程度。
ちょっとやばい。
仕方ないので裏技を使う。
いま培養で使っているのよりでかいフラスコを用意して、細胞が全力で増えられるようにしてやる。
次に、細胞をでかフラスコに移し替えてやるのだが、普通ならここで、今まで細胞が浸っていた古い培地は捨て、新しい培地に換える。
しかしこの古い培地には栄養分こそ少ないものの、細胞自身が生産する「細胞増殖因子」、つまり細胞増殖を促進する物質がたくさんはいっている。
これをを捨てずに、でかフラスコに移してやる。
ただそのままでは栄養失調になるため、新しい培地も足してやる。
そこに細胞を放り込む。
これでがんばって増えてくれるはずです。
 
で、実はこの技は増殖性の弱い細胞の培地に使われる方法でして。
まず培地の中で元気でよく増える細胞を培養して、細胞増殖因子を生産させます。
で、この中古の培地を弱い細胞に与えてやると、細胞増殖因子の働きでちゃんと増えたりするんですな。
この培地を馴化培地といいます。
以上、ちゃんと勉強しておけばいざというとき役に立つよという自画自賛でした。
 
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
で、電気炉がぶっ壊れまして。
スイッチは入るのですがスタートさせると漏電遮断機が落ちるという素敵な状況になりました。
電源は200V。
こいつが漏電とはなかなか洒落が効いています。
うちは基本的に機械は自分たちで直すタイプの研究室なので、助教と一緒にちょっと点検しましたが、まあ死ぬのはイヤだという意見で一致。
おとなしく業者に頼むことにしました。
 
忙しい 時期に限って 故障かな
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
あと、共用パソコンの外付けハードディスクも壊れました。
以前自宅でも起こった現象で、過熱によりサーマルキャリブレーションが止まらなくなり、カチョンカチョン言い続けながらアクセス不能になりました。
まあこれは冷やせば正常作動するので、暇をみてだましだましデータをサルベージしてやります。
 
忙しい 時期に限って お前もか
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
しかし急に寒くなりましたね。
道端で見かけたゴキブリも動きに切れがありません。
 
ゴキブリの 動きが鈍り 秋の感
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
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