徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

塩まみれの細胞と初夏

初めての細胞実験の一日目のデータがでました。
再現実験なので、目標の実験データが存在するかたちです。
サンプル回収と分析準備は終わっていたので、今日は細胞数と活性を分析。
……分析中、数値を見ながら焦りまくる。
どう見ても記憶にある前任者のデータと相反しています。
頭を抱えながらも、エクセルで処理していく。
すると。
細胞活性のデータと合わせると、ちゃんと目標データの形になっていました。
やれやれ……。
頼るべき前任者が既にいないので、うまくいってよかったです。
時間がないので、こういった、成功・失敗のひとつひとつが学位取得の可否にかなりダイレクトに結び付きます。
怖いですなぁ……。
検量線を引くのだけは操作を間違えて失敗しましたが、まあこれはいいでしょう。
細胞数をカウントするための検量線ですが、今回の再現実験ではそれほど重要ではないのです。
あと、ひとつ謎だったのが電子顕微鏡映像。
これは、細胞をフリーズドライにして見るんですが。
四種類のサンプルのうち、一つだけがなぜか塩まみれに……。
肉眼ではわからないのですが、電子顕微鏡で見ると、ミクロ単位の塩の結晶が散在している……。
なんでだ……。
生理食塩水由来でしょうが、それはフリーズドライにする過程で洗い流されているはずなんですが……。
なんかの加減ですかね。まあいいや。
 
19時、大学を出ると、まだかすかに夕焼けの余韻。
初夏ですなぁ。





 NHK(日本放置協会)は放置される側の団体です。