人類悪寒計画

「高度に発達した異星のテクノロジーは魔法にしか見えない」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　――A. C. クラーク
　
という事で提案。
地球上を真っ二つに分け、二つの地域を完全に隔離する。
もちろん国交も通信もなにもかもシャットし、共有できるのは大気と海水だけ。
そしてそのまま100年放置。
すると、それぞれの地域で、互いに魔法にしか見えない科学技術が発達。
それらを持ち寄れば地球の科学は100年分以上の進歩になる。
ウマー。
　
= = =
　
大変な一日だった。
まず、合成のやり直し。
…をやっている最中に、マイクロ波照射装置の修理人がくる。
しかもちょうど、寒剤で反応系の温度を調節し始めたところで。
そのとき現場には私と大尉２名しかおらず、私が応対しないとどうしようもない状況。
しかたがないのでちょっと目を離したところ、二つあった反応系のうち一つが暴走。
温度が急上昇し、おじゃんに。
…一つは無事だったけど…うう。
　
次に、別の反応の生成物を分析。
…？！！
ありえない生成物が…。
これまで何度も普通に行ってきた反応なのに。
このクソ忙しい時期に！？
というか…これって…ヤバくね？
どうやばいかっていうと、ここに書けない類のヤバさです。
いや、原因はたぶん、というか間違いなく生体触媒が弱っているせいなんです。
どうもここ数か月、そんな気はしてたんです。
しかし、ここに来て影響が出るか。
詳しいことは書けませんが、時期が悪すぎます。
当然、元帥には今報告する訳にはいきません。
少なくとも数週間、黙っておかねば。
…ぐう。
　
と、ひとしきりへこんだところで天使（片翼）が舞い降りる。
うわひょとゴースト掲示板に書き込みが！
どちらも内容は同じ。
「もうすぐトーク数900」
たぶん、同じ方が書いてくれたのでしょう。
ものすごく嬉しいです。
だって、これたぶん、俺を励ますために書いてくれたんですよ！
絶対そうです。
間違いありません。
大半のユーザさんは、俺がうわひょとか回覧板見ていることを知ってるはずなので。
（レビュー系のサイトでは自作自演などによる混乱を避けるため、ゴースト作者の書き込みが歓迎されない。しかしそれでは返事が書けないので、ゴーストの中に「連絡」メニューを作り、そこに返事を掲載しているのである）
あったかいなあ…世の中にはあったかい人がいるんだなあ…。
……ありがとうございます。
これからも頑張ります。
ユーザさんに応えるためにも、葉子とタヌキのためにも。
　
で。
試薬棚が開かなくなる。
酢酸だの水ナトだの塩素酸カリだのが入っている引きだし式の棚が引き出せなくなりました。
どうもロック機構が故障したらしい。
小一時間悪戦苦闘するも結局開かず。
業者を呼ぶことになりました。
ちなみに、悪戦苦闘しているときに指を切りました。
割とざっくり。
むかついたので試薬のエタノールで消毒したら、少佐と大尉から総ツッコミを受けました。
　
中佐と一緒にシレンをやりました。
　
ふと気がついたのですが。
私が指導する士官がいつの間にか４人になってます。
生体触媒系が三人、マイクロ波が一人。
…いや、なんでマイクロ波まで俺に…。
そりゃ、生体触媒との比較でほんの少し、やったことはありますが…。
指導するほどのスキルはありません。
元帥に嵌められてる気がする…。
　
もう訳が分かりません。
疲れました。
明日は８サンプル回収です。
おかあさん、わたし、くじけちゃいそうです…（ヴァイだけ分かるネタのはず）
　
あ、いまテレビでやってる「アートオブウォー」の主人公の吹き替えの声、スネークだ。