徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

生物学と工房

金曜深夜の駅前には生物学的な光景が見受けられる。
沢山の学生が一塊に集まっている。
細胞でいうとコロニーかスフェロイド、またはアグリゲーションである。
地面に大の字になって倒れている男がいる。
細胞でいうと接着性細胞が伸展した状態である。
健康そうで何よりだ。
ふらふらとさ迷う男がいる。
細胞でいうと浮遊性細胞である。
頭髪の色がまだらな女がいる。
キメラマウスによく似ている。
ただし、キメラマウスは大変かわいいが、まだら女はそうでもない。
自動改札を行き交う人波は毛細血管を流れる赤血球のようであり、広場の混雑は遊走する白血球のようだ。
つまり何が言いたいかというと、大変に眠くて朦朧としているということである。
 
= = =
 
細胞数をカウントする試薬が届いた。
500μLずつに小分けして凍結保存しようと思ったが、手元にある適当な容器というと、エッペンチューブくらいである。
ただ、エッペンチューブは試験官型なので自立しない。
これでは凍結するときに転倒してしまう等して扱いづらい。
しかしエッペンチューブ立ては買うと数千円から数万円もする。
あほらしくて買えない。
ので、久しぶりに工作。
自作してみた。
写真。
30連装エッペンチューブホルダ。
サンペルカ材(ウレタンより固め)を適当に切り出し、円切りカッターで穴を開けたものである。
ついでに20連装と6連装も作った。
なかなか便利である。
ちなみにこのサンペルカ材はハンズで売っている。
強度も柔軟性も弾力もあり、買っておくとなかなか便利。
ちなみに色によって硬さが違うので使い分けも可能。
青や黄色が最も固く、赤と緑が中間くらい?、黒と白が最も柔らかかったはず。
店頭で触ってみればわかる。
ただし、柔らかいのは加工がやや難しい。
円状に加工する際は円切りカッターを使ってもいいが、厚手で柔らかいサンペルカを、特に小径で加工するのは困難を極める。
予算に余裕があればポンチの使用をお勧めする。
ちなみにサンペルカは、工業的には液体窒素等で冷却して固くしてから加工するらしい。
あと、薄いプラスチック板もあると便利である。
材質は塩ビかPETが安くて頑丈なのでお勧め。
塩ビのほうが耐腐食性が高く、PETのほうが加工しやすかった気がする。
アクリルは高硬度だが比較的高価で、日光で劣化するので注意。
工具類としては、カッターとカッターマットはあると非常に重宝する。
カッターに関しては、細かい加工用の薄刃のものと、硬いものや厚いものを切る厚刃のものがあるとよい。
使用前は刃先をよく確認し、少しでも摩耗している気がしたら(切っ先の色が周囲と違って見えたら)直ぐに折ってしまうべき。
けちけちしていると材料が綺麗に切れない。
円切りカッターの場合は特に注意。
定規は幅広のものが二本あると直角を取ったりしやすい。
定規自体に方眼が印刷されている平行定規は便利だが、プラスチック製なのでカッターで縁を削り取らないよう注意されたい。
以上、いつの間にかタヌキ工房コラムでした。





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