徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

また変な理化学用品とインバータ

理化学用品には稀におかしなネーミングのものがありまして、以前にも「Masterラーメン」とか「おしりぺんぺん」とか「ミキサーうずしお」とかご紹介しました。
で今日、また見つけました。
バイオでは「オートクレーブ」という滅菌装置をよく使います。
こいつは高温高圧の蒸気を使って菌を分解するんですが、なんとも嫌な臭いがするという問題があります。
それで、いろんなメーカーからオートクレーブ用の消臭剤が売られています。
本日ご紹介するのは、株式会社トミー精工が販売している消臭剤です。
それが、こちら。


『脱臭力 悪くない』
……。
程度がわからん。
悪くはないが、良くもないのか?
そこそこ良いのか?
曖昧さと奥ゆかしさの中に、日本人独特の美すら感じられます。
しかしそれを商品のど真ん中に印刷してしまう自己矛盾が壮絶です。
ただ、残念な点が一つ。
「悪くない」のフォントをなぜ大文字の毛筆にしたのか……。
力が入りすぎです。
「脱臭力」と同じサイズと形のフォントにすればよかったのに。
真四角の消臭剤のど真ん中にぽつんと
 
脱臭力
悪くない
 
さらにシュール。
さらに意味不明。
全力でボケるだけではなく、平静な表情でさらっとボケるのも大切なのではないでしょうか。
 
まさかの駄目出し
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
そういえばみなさんお気づきでしょうか。
以前この日記で「おしりぺんぺん」をご紹介しましたが、その記事に販売元の販促担当者がコメントしてくださったことを(笑)
さあ、上の検索窓から「おしりぺんぺん」で検索されたし。
 
何が起こるか分からない
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
ところで日記は数日ぶりですね。
このところ、雑用とか実験系の微調整とかをやってまして、とくに面白いことをしてなかったんですよね。
休み明けでだるいし。
変わったことといえば、エッペンチューブ専用の遠心分離器を買うことにしました。
以前にも似たようなのを買いましたが、あれは遠心力が3000Gくらいしか出ないんです。
今回は10000G以上出るのが必要になりまして。
遠心分離器自体は、研究室にあります。
ただそいつは50ccとかのチューブを回すのに使っていまして、1.5ccのエッペンチューブを回すにはパーツを買い足すしかありません。
その値段、11万円。
正直、買えないことはありませんし、遠心強度は20000G出ます。
ただ、パーツの値段としては高いです。
で、いっそのことエッペン専用の遠心器を買ったらいくらなんだろうと調べたら。
9万6千円で発見。
遠心強度も12000G出ます。
素晴らしいムスカ君。
てなわけで、本日発注をかけました。
早まってパーツを買わなくてよかった……。
 
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
で、その遠心器の説明で「高周波インバータを採用しているので低騒音」とありまして。
インバータってあれですよね、電車の駆動音で、「ミヨ〜〜ンピヨ〜〜ン」とか鳴るやつ。
そういえばあれ、なんであんな音がするのか気になっていたので、調べてみました。
非常に大まかに漠然と説明すると、以下の感じらしいです。
 
ふつう、在来線は直流電流で走っています。
そのため、昔は直流モーターで電車を動かしていたそうですが、直流モーターは整備が非常に大変らしいのです。
しかし、交流モーターは整備が楽なので、そっちのほうがいい。
でも、供給される電流は直流です。
そのため、まず直流電流を交流電流にする必要があります。
そのための装置がインバータです。
詳しい原理は知りませんが、なんだかの回路のスイッチを素早くON・OFFすることで、直流電流を交流電流に変換するそうです。
ただ、単に交流にすればいい訳ではありません。
直流モーターは普通、電圧によって回転速度が変わりますよね。
しかし、交流モーターは周波数によって回転速度が変わるんだとか。
周波数。
交流電流って、周期的に流れる方向が変わる電流のことですよね。
その周期というのが、東日本では一秒間に50回(周波数50ヘルツ)、西日本では一秒間に60回(周波数60ヘルツ)とかですよね。
その周波数を、モーターの回転速度に合わせて変えてやらないと、うまく回らないんだそうです。
で、回路のスイッチを素早くON・OFFすることで、直流電流を交流電流に変換する、と書きましたが、このON・OFFのスピードが周波数に反映されるんですね。
そして、このスイッチをカチカチ入れたり切ったりする音が、あの「ミヨ〜〜ン」という音に聞こえてるのです。
で、電車がゆっくり走っているときはスイッチもゆっくりON・OFFしていて、スピードが上がるとON・OFFのスピードも上がります。
だから、電車の速度に応じて「ミヨ〜〜ン」が高い音になったり低い音になったりするんですね。
 
徒然狸 ―タヌキの日記―





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