I小隊の朝はスクランブル戦闘からはじまる……。
本日1030、さて実験でも始めるか、と思っていたら、O中佐とT少佐が悲鳴をあげる。
状況を確認したところ、所属不明のF-18戦闘機が一機、急襲してきたらしい。
全隊、スクランブル体制である。
(良い子の芋知識
F-18:双発の中型戦闘攻撃機。
愛称は「ホーネット(スズメバチ)」)
窓とブラインドの隙間に機影を確認。
スズメバチとしてはでかくはないが、スズメバチなりにはでかい。
とりあえずブラインドを閉めて様子を伺う。
ついでに走光性があると思ったので、部屋の電気を落とす。
そしてブランドをつついたり窓を開け閉めすること10分、何とか出ていってくれました。
おちおち窓も開けられません。
= = =
元素分析のためのサンプル溶液(目標濃度10ppm)にするため、試料を硝酸に溶かしていたら、思いの外溶けまくって焦る。
完全に濃度がわからなくなった。
これでは元素分析にかけられないので、大まかな濃度を化学分析で割り出すことにした。
この分析法の検出範囲は〜100ppmである。
20時、分析開始。
とりあえず、サンプル溶液を原液のまま分析にかける。
……検出値が測定範囲を振り切りました。
水で二倍に希釈して再度分析。
……振り切れました。
十倍に希釈。
……振り切れました。
ばかな……。
既に21時を回っている。
ヘトヘトである。
例の、エッペンチューブを使って分析しているのだが、蓋を開けたり閉めたりのひたすら繰り返しで、腕が痛くなって来た。
あの蓋、結構固いのである。
指先の作業が上腕に来るとは思わなかった。
しかしここでやめるわけにもいかんので、20倍希釈のサンプルを作り分析。
測定範囲ぎりぎりいっぱい、なんとか収まりました。
さて、ここで思い出してみます。
目標濃度、10ppm。
測定値、1800ppm。
いやん2桁ちがう。
……これは作り直しか……。
明日が憂鬱だ。
= = =
タヌキに聞いてみようのコーナー。
大学を出る時間が珍しく22時を過ぎましたね。
「しかも無駄な努力の結果ね」
それでは、また。