徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

卒業式

の話をみんな日記に書くだろうから意表をついて危険物の話をします。
「危険物」と聞くと比較的多くの方が「青酸カリ」などの毒物を思い浮かべます。
しかしそれはまったく違います。
そもそも危険物の定義は、容易に発火または引火し、或いは燃焼を著しく促進して火災の原因になる化学物質のうち、消防法に定められたものなのです。
それに対し毒物は、毒物劇物取締法と薬事法の管轄であります。
ちなみに毒物劇物は、毒性の弱い方から「劇物」「毒物」「特定毒物」に分類されます。
青酸カリなんかは厳密には、毒物ではなく特定毒物なわけです。
ただここで混乱して欲しくないのは、危険物と毒物劇物は相容れないものでは決してない、ということです。
つまり、危険物でもあり、毒物や劇物である物質も存在するわけです。
典型的なのは黄リン。
これは自然発火性の危険物であるのと同時に、青酸カリ級の特定毒物であるため、取り扱いには相当な注意を要します。
それゆえ黄リンは、現在は製造禁止になっているはずです。
この黄リン、実は常温で炎を出して燃える非常に珍しい物質であるのですが、この文書の目的から外れますのでとりあえず、これ以上は言及しません。
さて、危険物の話に戻ります。
危険物でもう一つ勘違いしやすいのが、危険物自体の種類の呼称と、取扱資格の分類の呼称です。
危険物というものはその性状により、第1類〜第6類までに分類されます。
対して取り扱い資格は、その権限によって甲種、乙種、丙種の3種類に分けられ、さらに乙種に関しては、取り扱える危険物によって第1類〜第6類に分けられます。
つまり、危険物取り扱い資格は8種類あるわけです。
不慣れな人は、「第一種の危険物」「乙類の資格」などと呼びがちですが、正しくは「第一類の危険物」「乙種の資格」ですので注意が必要です。
さて、前述のとおり危険物はその性状ごとに六つの類に分かれていますが、それぞれの類を見ていきます。
まず第1類、これは酸化性固体です。
有機物との接触は厳禁であり、とくにアルカリ金属の過酸化物は水をかけると発火・爆発する恐れがあるので注意が必要です。
次に第2類、可燃性固体。
赤リンや金属粉末がこれに当たります。
とくにアルミニウム粉末は水をかけると発熱・爆発の恐れがあります。
第3類、自然発火性および禁水性物質。
性状は名前の通りで、上で挙げた黄リンや、ナトリウムなどアルカリ金属がこれに当たり、空気中に放って置くだけで発火するような物質をいいます。
ちなみに、空気との接触を避けるため、黄リンは水中に保管し、ナトリウムは水とも反応してしまうため灯油の中で保管します。
第4類、引火性液体。
灯油やガソリンをはじめ、極めて引火性の高い液体がこれに当たります。
とくにガソリンやジエチルエーテルはマイナス30〜40度という過酷な条件下でも、引火するのに十分な蒸気を発生させるため、特殊引火物に指定されています。
第5類、自己反応性物質。
名前は冴えませんが、危険物の真打ちたちです。
強力な破壊力の火薬で有名なTNT、一滴で指が吹っ飛ぶニトログリセリンなど、出来れば近付きたくない物質が目白押し。
ちなみに第5類危険物には、有効な消火方があまりありません。
燃料と多量の酸素が分子内に同居している第5類危険物は、一瞬にして燃え尽きるため消火の余裕がないからです。
最後、第6類、酸化性液体。
有機物との接触は厳禁です。
硝酸や熱濃硫酸などがこれです。
さて、これで危険物がどういったものか、大体お分かりいただけたかと思います。
携帯で1500字も打ち込んで疲れたので、今日はこれくらいにさせていただきましょう。
 
あ、ちなみに卒業式は最低でした。
式中は常にざわついていて、起立の時にイスの上に立つアホウまで。
聖歌斉唱の時に笑い声が聞こえるのは何故でしょう。
チャプレン長の祝辞で笑い声が聞こえるのは何故でしょう。
あなたたちは一体何を卒業するんですか?





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