徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

化学便覧と青酸カリ

以前、研究室が閉鎖された際に廃棄予定の化学便覧(応用編)を貰って帰りましたが、いままで特に使うこともなく放置していました。
で今日、読んでいた(解読していた)論文の中にPLGA(生分解性ポリマー)が出てきたので、それについて調べようと化学便覧を手に取りました。
・・・結局、PLGAは載っていませんでしたが(まあ60年代の物なので当たり前なのかもしれませんが)、別の面白い記事を発見。
「化学工業安全」の章に、有害化学物質に曝露され、あるいは摂取してしまった場合の対処法が載っていました。
たとえば、シアン化水素ガス、シアン化水素酸塩(つまり青酸カリとか)の場合は・・・

(1)迅速な処置がきわめて必要である
(2)意識不明の罹災者を寝かせ、口をあけて舌を前に引き出す(舌で喉をふさがぬように)。亜硝酸アミルのアンプルを前もって用意しておき、それをハンカチーフに包んで破り、そのまま患者の鼻口にかざしてかがせる。これを1minに15〜30secの割合で、医師の来るまで続ける。
(3)呼吸の止まった罹災者はただちに人工呼吸を開始し、人工呼吸の間中、亜硝酸アミルをかがせる。
(4)意識不明の間は患者に何物も口から与えてはならない。
(5)シアン化水素酸塩の水溶液のしみた衣服を直ちに脱がせ、十分に洗タクしてからでなければ再び着てはならない。衣服の下の皮フ面は、たとえ問題にならない程度のようであっても温水と石鹸で十分に洗う。中毒の症状が現れたら(1)〜(4)に準じて処理する。
(6)眼に入った場合は直ちに多量の水で少なくとも15min以上洗う(一般方針参照)。
(7)青酸塩を飲み下した場合、患者に意識があれば一杯の微温湯、カラシ水、なまぬるいセッケン水を与えるか、指をのどに入れて吐かせる。
(8)その後で約500mlの1%チオ硫酸ナトリウムを1杯ずつ15minに1回繰り返して与える。
(9)激しい中毒症状が現れないまでも、亜硝酸アミルをかがせる。人工呼吸その他の方法は26.5.1dに準じて行う。
また、シアン化水素ガスの吸入、またはシアン化カリウムを飲み下したときの毒性は次のように言われている。
 
表26.42a シアン化水素ガスを吸入した場合の毒性
18〜36ppm 数時間後たいした変化がない
45〜54 30minから1hrは耐え得る
110〜135 30minから1hrで死亡または生命危篤
135 30minで死亡
181 10minで死亡
270 即死
 
b シアン化カリウムを飲んだ場合の致死量
0.25g シアン化カリウム
0.15 純シアン化カリウム
0.05 シアン化水素酸として
約50.0ml キョウジン水(シアン化水素酸0.1%を含む)

・・・やばい、面白い(危険人物)
というか、青酸カリに解毒薬ってあったんだ。
亜硝酸アミル





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