2006-05-31 ■ 大好きだった冬が終わり、それでも初夏を迎えてしまうと、俺はまた新たな思いを馳せることになる。 いつか感じた海の色、草の音、空の匂い…。 そんな、おもちゃ箱に雑多に放り込まれていたようなごちゃごちゃの記憶が、ひとつひとつこぼれ出てはまた消えて行く。 そして、それらをいつもどこかに探しながら、また訪れる夏を生きてゆくのだ。 ――『既来―明日の記憶』