徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

神無月の頃と一週間で壊れてくれた吸光計

なんという湿度だ。
雨上がりの夜道。
涼しいはずの風はどこか粘性を帯びており。
外に出ていくらも歩かぬうちに、
外気にさらされている両腕と首から上は、早くも不快感に包まれ始めていた。
しかしそんな風も確かに記憶を含んでいることに気付き、風を感じようと意識を傾ける。

雨上がりの水の匂い、草の匂い。
……昔訪れた名栗村で感じたのと同じ、風の感触だった。
気付いてしまえば、このどこまでも重い風も、久方ぶりに再会した旧友のようにさえ感じられるのだった。
 
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
「雨上がり」と入力しようとすると、変換候補のトップに「雨上がり決死隊」がでる。
興ざめだ。
神無月の頃、山奥の庵のそばにある蜜柑の木が柵で囲われているのを見たような気分だ。
 
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
先週買った新しい吸光計が不調に陥る。
なにもしなくても測定値が上下の限界値まで振れまくり、使い物になりません。
一応、回避する方法は発見しましたが、さすがに頭に来たので科学者としての頭を振り絞り、「機械がおかしい」ことを完全に証明できるだけのデータをとりました。
明日業者につきつけます。
ついでに、挙動がおかしいもう一台についても診てもらいましょう。
 
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
地球が氷河期に突入しつつあるそうで。
なんでも、太陽活動が収束したまま活発化する兆しが見えないという話です。
このまま「温暖化対策」し続けると、自分の首を締めるような。
さて、どうするんだろう……。
 
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