2005-09-17 ■ 『夏』という言葉がキツい。 昨夜窓を開けたら寒かった。 涼しいんでなく寒かったのである。 夜景をうめつくす秋虫の声が、それをことさらに強調していた。 不意に自分の中に浦島太郎が見え、言い様のない焦燥に見舞われた。 タヌクロン号の二か月分の埃を払い、荒川土手に出かける。 草むらに腰を下ろし、少年野球を眺める。 風は最早涼しい秋風であり、澄んだ空を滑るトンボ。 しかし、じりじりと首を焼く強い陽射し、夏草の匂い。 …夏はまだ、少しだけ俺を待っていてくれた。