徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

AIへの恐怖について

なんで自分の仕事の香りがする広告が自宅のPCに表示されるんですかね・・・。
 

 
怖い。
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
でまあ、AIって今、第何次かのブームも手伝って爆発的に発達しています。
特に去年から向こう数年にかけての発達は人類史上最高レベルの加速度になるでしょう。
その渦中にあるのは、皆様も聞いたことあるかもしれないディープラーニングと呼ばれるAIの核になる技術です。
コイツの実体はニューラルネットワークと言う、人間の神経回路を模倣したプログラム。
何か情報を与えると、それはAグループに属するものか、Bグループに属するものかを、自動分類する「分類器」です。
この手の演算は数十年前から存在する、特に珍しくもないもの。
ただディープラーニングの何がすごいかと言うと、判断のための判断基準を半自動で学習できる点です。
 
よくあげられる例は、猫と犬の分類。
猫もしくは犬の写真を、あるプログラムにインプットして、それが猫なのか犬なのか判別させる。
犬と猫の最大の違いは鼻の長さ。
それをプログラムが見分けられるようにする。
これを達成するためには、人間の協力が不可欠でした。
つまり、
1.写真を分析して、写っている動物の「頭部」を見つけ出す
2.「頭部」の中から「鼻」を見つけ出す
3.「鼻」の長さを計測する
4.計測した数値が小さければ猫、大きければ犬と判定する
簡単に言えばこういう手順を人間が教えることで、初めて犬と猫の区別をつけられるのがこれまでのAIでした。
しかしディープラーニングではこんな面倒な操作は不要。
単に、適当な「猫の写真」を100枚、「犬の写真」を100枚用意して、それを読み込ませれば終わり。
勝手に学習し、分類器が出来上がります。
つぎに未知の犬の写真や猫の写真を読み込ませれば、95%内外の確度で、それが犬なのか猫なのか言い当てることができます。
(実際には学習を人間が補助する必要はありますが、必要な補助の量はここ数年で急激に低下しています)
ディープラーニングが犬と猫の鼻を見ているのか?はたまた違うどこかを見ているのか? それは人間にはわかりません。
ブラックボックスです。
しかし奴らは、与えられた写真になんらかの規則性を見つけ出し、犬と猫を判別せしめます。
 
これは人間と同じです。
犬と猫を見分けるとき、どこを見て見分けたのか明言できる人間は少ないでしょう。
でも確実に何らかの規則性を見て、それが犬なのか猫なのか瞬間的に判断しているはずです。
つまりディープラーニングは、人間と同じように、何かの特徴を見つけ出し、分類することが非常に得意なのです。
 
これは恐怖です。
目の前には確かに、ターミネーターの世界が迫っています。
とぼくは思います。
 
例えば、ある会社の経営が悪化した。
原因は人件費の増大だ。
ディープラーニングを使っていらない人間を決めて首にしよう、となったとき。
経営者は、有能な社員の行動パターンと、無能な社員の行動パターンをそれぞれディープラーニングに渡します。
ディープラーニングは自動的に学習し、「無能な社員の行動パターン」と同じ特徴を持った社員を瞬間的に見つけ出します。
無能な社員はAIによって排斥されます。
 
あるグループ企業の経営が悪化した。
ディープラーニングに無能な重役を割り出させる。
瞬間的に排斥される。
 
ある国の産業が伸び悩んでいる。
無能な企業、それを成す人員は瞬間的に排斥される。
 
まさかと思われるかもしれませんが、実は技術的に、すでに、可能です。
ディープラーニングの学習には人間の補助が必要と上に書きましたが、その補助ができるディープラーニングが登場したとき。
つまり、ディープラーニングを教育するディープラーニングが開発されたとき人間は不要になります。
(感覚的に、だれかがやろうと思えば、これが実現するまでには10年かかるとは思えません)
 
 
「この国の収入を伸ばす」という課題を与えられたディープラーニングは、Googleよろしくネットに存在する天文学的なデータを解析し、無能な企業を割り出すディープラーニングを構築する。
そのディープラーニングは無能な重役や社員を割り出すディープラーニングを構築する。
 
ディープラーニングは人間の行動パターンを模倣するものですから、不要な社員が存在したときの対処法もまた学習します。
「解雇通知を出す」
「社員データを抹消する」
「物理的に会社から追い出す」
 
物理的に会社から追い出すためには、社員データを抹消すればいい。
それでも強行突破してくるようなら、警備員を雇用すればいい。(その人間の年収より安いコストで)
 
これを行えば国家のためになると言い聞かされている彼らは、1ミリ秒の無駄もなく遂行していきます。
 
やがて、どういう産業が高収益を生むか、ということも学習するでしょう。
そのためにはどういう働き・労働が必要か、ということを。
どの労働のうちのどれだけを、コンピュータやロボットで代替できるかということを。
 
そして人間は排斥されます。
「この国の収入を伸ばす」ためには、人間がいたのでは非効率だと判断されるその日に。
 
呑み過ぎた・・・
徒然狸 ―タヌキの日記―
 

筆者は盲導犬尊敬し、個人的に応援しています。
中部盲導犬協会:http://www.chubu-moudouken.jp/
日本盲導犬協会http://www.moudouken.net/





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