昼の職場。
疲れた先輩が「家に帰りたい・・・」と肩を落としていたので、「ぼくも故郷のベテルギウスに帰りたいです・・・」とボケをかましたまではよかった。
先輩「なにそれ?」
「え? ベテルギウスですよ」
「え? え?」
「いや、あの、星の」
「しらないー」
マジかと。
たまたまそばを通りかかった別の先輩に聞いてみる。
「ベテルギウスって知ってますよね」
「知らん」
「ベテルギウスって知ってます?」
「ああ、あれね、ガンダム的なあれね」(?)
「ベテルギウスって知ってますか?」
「知らない」
「リゲルは?」
「知らない」
「プレアデス星団」
「知らない」
「スピカ」
「知らない」
「イオ」
「知らない」
ベテルギウスといえば、冬空に赤く輝く一等級の脈動変光星。
白い1等星「リゲル」とともにオリオン座の一角を成していて、太陽・太陰につづき3番目くらいにわかりやすい天体です。
ベテルギウスくらい、誰でも知っていると勝手に信じて生きてきたのです。
いや、これはあれだ。
ここは今まで生きてきた地球とそっくりだが、じつは並行宇宙で、この宇宙にはベテルギウスは存在しないに違いない。
わたしはいつの間にか世界線を超えていたのだ。
的な混乱を本気で生じかけたところで、なんとかベテルギウスを知っている後輩を発見。
えー・・・。
ベテルギウスの知名度ってこんなもんなんでしょうか。
冬空を見上げれば否応なく目に入るオリオン座。
その左上の一角に位置する、超目立つ星で、理科の授業では絶対にその名前を習っているはずなのですが・・・。
いや、やはりここはわたしの知っている宇宙とは別の宇宙に違いありません。
たぶん電子レンジに携帯電話をぶち込んで圏外になるか実験したのがまずかったのでしょう。
もう仕方ありません。
この宇宙で頑張って生きていくことにしますので明日も平常運転です◎
徒然狸 ―タヌキの日記―
筆者は盲導犬を尊敬し、個人的に応援しています。
https://www.moudouken.net/