徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

正夢と保温君一号(&二号)

研究室の連中がフットサルの試合に出ることになる夢を見まして。
大学に来てみたら、事実でした。
ついに予知能力に目覚めたようです。
こんにちは、僕です。
 
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
細胞実験で寒天を扱うことになりまして。
培養皿の底を寒天で覆い、細胞の接着を阻害する作戦です。
しかしまあ、前途多難で。
やることとしては、まず寒天粉末を瓶に入れ、水で溶き、オートクレーブという高圧滅菌装置に入れて滅菌し、同時に寒天を溶液にします。
そして熱いうちに培養皿に流し込み、冷まして固めます。
簡単そうですが、厄介なのは寒天を流し込むべき場所が一つや二つではなく、場合に寄っては百近くになること。
流し終わるまでに瓶の中で固まってしまうとアウトなのです。
再加熱出来ないことはありませんが、50分くらいかかってしまいます。
つまり、保温を工夫して固まるまでの時間を稼ぐしかありません。
そこで予備実験。
ビーカーに寒天溶液を入れ、保温方法に寄って冷め方がどう変わるか追跡することにしました。
……まあ書けばかっこいいですが、実際はこんなです。
片方はビーカーにホッカイロを貼付けてあります。
もう片方はスポンジを巻き付けてあり、足りない部分は手ぬぐいで補っています。
開始温度76度。
蓋をせずに放冷開始。
結果。
濃度1%の寒天が固まる温度は42度くらいであることが判明し、どちらの保温法でも50分間にわたって42度以上を保てました。
ちなみに保温せずに放置した場合は30分で固まりました。
50分あれば十分でしょう。
……と思いきや、実はそんなに甘くない。
この予備実験は普通の実験室で行ったため、あたりはほぼ無風。
しかし細胞実験の操作を行う無塵実験台「クリーンベンチ」は、塵を追い出すために常に風が吹き付けているのである。
つまり、熱いものも急速に冷めてしまう環境なんである。
果たして、この保温法が通用するのか……?
 
とりあえず予備実験の経験を元に、保温容器を作製する。
保温君一号。
……恰好の善し悪しはどうでもいいんです。
早速実験開始。
瓶に寒天と超純水を入れ、オートクレーブにかける。
そして滅菌が完了するのを待ちながら培養皿を準備。
今回は予備実験なので、流し込むのは16ヶ所のみです。
程なくして滅菌完了。
熱々のままクリーンベンチに入れ、保温君一号にセットします。
そして培養皿に流し込んでいく。
……皿の底で寒天がうまくひろがらなかったりしててこずりましたが、数分で終了。
さすがに、ここまでの時間で固まってしまうことはありませんでした。
しかし、どれくらい持つのか知りたかったので、保温君一号はクリーンベンチに放置。
そのまま40分。
さすがに冷めて来ていますが、まだ固まっていません。
上出来です。
これで本実験にも耐えるでしょう。
ちなみに今日寒天コーティングした培養皿には明日実際に細胞を載せてみて、ちゃんと細胞接着が阻害されるかどうかテストします。
 
で、ちなみに保温君一号がダメだった場合に備えて、実は保温君二号も出来ていたのですが……。
御蔵入り決定。
 
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
私の俳句入りお茶を、大将と少将にプレゼントしてみました。
……予想外に良いリアクションが見られました(笑)
 
徒然狸 ―タヌキの日記―





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