徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

フッ化水素とジメチル水銀とタヌキ

以前にも書きましたかね。
フッ化水素という物質がありまして、これがとても恐ろしいのです。
硫酸とかだと、手かかるとぴりぴりと痛みますが、すぐに洗い流せば別にどうということはありません。
しかし、フッ化水素は余程高濃度でなければ手についてもなにも感じず、気付かないことが多いそうです。
そしてそのまま帰宅し、就寝すると、深夜に手が疼くように痛み、目が覚めます。
痛みは徐々に増し、そのうちのたうちまわるほどになります。
……皮膚と筋肉を素通りし骨に達したフッ化水素が、骨のカルシウムと反応して蛍石となり、その結晶が筋肉を引き裂きながら成長を始めたのです。
そのまま放置すれば手は壊死してしまいます。
また、かかったフッ化水素がある程度の高濃度であれば、低カルシウム血症に陥り、もっと早い段階で死に至ることもあります。
さらにフッ化水素の事故に慣れていない医師の診断を受けた場合、まだ壊死していなくても、皮膚の変色から壊死と診断され、腕を切断されることもあるとか。
……とまあ、このようなことから、フッ化水素はかなり恐ろしい物質だと思っていたのですが、本日さらに恐ろしい物質を発見。
 
メチル水銀
 
水俣病を引き起こした有機水銀の仲間で、まあ名前だけ見ても毒っぽいことはわかりますね。
ただ、ジメチル水銀の毒性は半端ではなく、青酸カリなんぞ子供のおもちゃに見えてきます。
以下、事故事例。
メチル水銀を扱っていた学者が、手の上にに数滴こぼしてしまう。
手にはラテックスの手袋をしていたので、学者はすぐにジメチル水銀を拭き取り、手袋もすぐ外して新しいものに交換した。
暫くはなんともなかったが、十ヶ月後、体調不良に陥る。
体重の減少、歩行時のよろめき、舌のもつれ。
通院を開始し、水銀中毒と判明した。
治療を受け始めたが半年後、死亡。
血液からは高濃度の水銀が検出され、脳は萎縮していたという。
……手袋ごしの数滴で死亡。
常考えられないが、その後の調査で、ジメチル水銀はゴム手袋を15秒で通過し、皮膚に達していたことが判明したそうです。
このレベルの毒性になると、もう私の保安技術ではどう扱えばいいのかすらわかりません。
……とりあえず、いつかゴーストのネタにしようと。
 
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21時過ぎ、眠くて朦朧としながら、タヌキに関する論文を検索し始める。
わりと数があって驚いた。
そして意外な事実が判明。
島根県での調査によると、ホンドタヌキ平均寿命は3.2年くらいであったらしい。
犬の平均寿命が8年以上であることを考えるとかなり短いですね。
うさぎクラスです。
しかしまあ、野生ならこれくらいなんですかね……。
……これは近日中にネタになります。
 
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タヌキに聞いてみようのコーナー。
今一番の心配ごとは?
「12月の検診で採血されること」
それでは、また明日!





 NHK(日本放置協会)は放置される側の団体です。