徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

骨とエッジ効果

鶏骨の電子顕微鏡観察を行いました。
まあまあ見えました。
タンパク質を徹底除去したものとしてないものの二種類を用意していましたが、案の定というか、除去していない方は表面がなにかに覆われていて、実際の表面構造は見えませんでした。
骨膜が残っていたか、またはコラーゲンでしょうか。
一方、タンパク質を除去した方はよく見えました。
まず、50倍の写真。


所々に穴が開いています。
まあ普通に考えれば毛細血管が通っていた跡ですが、鳥の骨なので、軽量化のための穴である可能性も否めず。
要確認ですね。
で、倍率を上げて、5万倍の写真がこちら。



全体的にごつごつししていて、所々に長さ100ナノメートルほどの細長いリン酸カルシウム結晶が見えます。
で、実は骨の構成単位はもっと細かい20ナノくらいの結晶であるはずなんですが、顕微鏡の性能限界でそこまでは見えませんでした。
とまあ、骨の表面てのはこんな感じでナノレベルの凹凸が存在しているのです。
 
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エッジ効果って知ってますか。
なにかが規則正しく並んでいるとき、端にあるものは、真ん中へんにあるものよりも厳しい環境に曝されていることになります。
これをエッジ効果といいます。
普段は意識しないようなものなんですが、バイオ実験では問題になることがあるそうで。
バイオではしばしば、マルチディッシュというものを使います。
長辺が15センチくらいの長方形のプラスチックプレートで、上面に直径1センチくらいの穴が96個、ずらりと開いています。
で、各穴に細胞や試薬を入れて実験します。
一枚のプレートの上で、96の実験を一度に行えるわけです。
バイオ系のニュースやドラマなんかで時々写りますね。
で、そのマルチディッシュで実験する場合、エッジ効果が効いて、外周の穴と真ん中辺の穴で実験結果が驚くほど変わったりするんだとか。
外周の穴の方が中に入れた水分の蒸発が早いからだそうです。
理屈は多少やっかいですが、例えば横から風が吹いたとき、外側の穴には風が直撃しますが、真ん中は平気です。
そんなちょっとした違いが積み重なるわけですね。
以上、日常生活でとても役に立つ情報でした。
 
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タヌキに聞いてみようのコーナー。
最近の悩みは?
「テレビと携帯の占いの結果が食い違う場合なにを信じれば……」
それでは、また。





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