人工骨関連の研究をしているのだが、そういえば本物の骨を電子顕微鏡で観察したことがないことに気付く。
でまあ、とりあえずなにか見てみようということで、鳥の骨を見てみようかと。
鶏の手羽元の肉を手で剥ぎ、骨を取り出す。
そのままでは脂でべとべとしているので、アセトンで洗浄。
ニッパで適当に砕き、骨膜を剥がし、アセトンに数時間漬けこむ。
とりあえずこれでサンプルはできた。
ただ、骨というのはコラーゲンを多く含んでいるため、これを除去しないと電子顕微鏡で見たときにきちんと表面構造が見えない心配がある。
しかも、「白骨温泉」がどうしても「はっこつ温泉」に見えて仕方がない。
なので、余った骨を完全に白骨化させたサンプルも作ることに。
調べてみると、意外と簡単。
1%の炭酸ナトリウム溶液に漬けて、沸騰しないように煮るだけである。
炭酸ナトリウム溶液はアルカリ性なのですが、タンパク質はアルカリに溶ける性質があります。
しかし、骨を形作っているリン酸カルシウムは酸には溶けますがアルカリには強いので、この方法でコラーゲンの抜けた骨が得られるわけです。
で、とりあえず昼いっぱい煮込んでみると、こびりついていた肉片なんかが大分溶けて来ていたので、そのまま一晩放置。
翌朝には、チョークのように真っ白な骨になっていました。
観察は明日。
うまく見えるかね……。
= = =
ちなみに、人間を化学的に消す方法は
1.アルカリに漬けて肉を溶かす
2.酸に漬けて骨を溶かす
です。
分析化学の講義で習ったので間違いありません。
= = =
タヌキに聞いてみようのコーナー。
夜明けまでは。
「あと一時間」
それでは、また。