徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

誤算と目薬

先日アントクアリウムを導入して、アリを入れていたのですが。
どうもおかしいのです。
いつまで経ってもミーティングをやめない。
巣を作る様子がない。
それどころか、フタの裏側に張り付いたまま動く様子がない。
・・・もちろん死んでいるわけではない。
これはまさか、と思い当たる。
確か説明書には、「種類によっては穴を掘らないアリがいます」という記述が。
いやでも、この書き方では極稀にそういうやつがいるだけで、その辺にうじゃうじゃいるような奴らには関係ない感じであった。
・・・ただ、気になったのでアリの種類を調べてみることに。
小さくて特徴がつかめないので、デジカメで撮って拡大してみる。
ビバCCD。
ビバ700万画素。
で。

体調五ミリ強か。
これといった形状的特徴は無いが、足の先の色が若干薄い。
これに合致するのはサムライアリである。
しかし、サムライアリならば土中に穴を掘るタイプ。
それにあごはそんなに大きくない。
ということは・・・。
判明。
多分クロクサアリです。
ネットで確認すると、これも足の先の色が薄い。
間違いありません。
クロクサアリ。
樹の穴の中に住むタイプです。
多分穴は掘りたがりません。
ガッテム。
なんという誤算。
・・・まあ、木上にある食べ物に群がっていたのを捕まえたのが悪かったんでしょうな・・・。
これではどうしようもないので、この人たちは解放して別のアリを捕まえることにしました。
ばいばい。
で。
実は土中に作る種類のアリは思ったほど多くないことが判明。
その辺にいるアリの半分位の物で、ほかの種類は樹の中や家の中、虫こぶなどに巣を作るらしいのです。
なんという困難。
しかし幸い、近所で最も見つけやすい大型アリのクロオオアリは土中に巣を作るタイプ。
もう庭は諦めて公園に出かけるしかありません。
GO。
クロオオアリ自体がよくいる場所はすでにわかっています。
小学校くらいの頃、やはりアリの飼育キット(学研の土をつめるタイプ)用にアリを捕まえたことがあるからです。
しかし、そのときは二、三匹位の物でしたが、今回は容器サイズが大きいため十匹ほど捕まえる必要があります。
問題は、アリは出身巣が違う者を敵とみなし、攻撃してしまう点。
武器は蟻酸なのですが、蟻酸を容器内で出されてしまうとアリが全滅してしまいます。
そのため、捕獲するアリは全て同じ巣のアリでなければならず、つまり巣を見つける必要があります。
しかし、探せど探せど巣は見つからず。
小さめのアリの巣は見つかるのですが、肝心のクロオオアリの巣が見つからんのです。
仕方ないのでアリを地道に尾行。
周囲にあまり人がいなかったので成しえました 笑
十分以上尾行を続け、ようやく手がかりをつかむ。
餌の芋虫を捕まえたクロオオアリを発見したのでした。
そのへんをうろうろしている奴らは特に目的意識もなく歩き回っている可能性が高く、尾行してもなかなか巣は分かりませんが、獲物を持っているアリならばまっすぐ巣に向かうはずでした。
果たして、巣を発見。
上から見ても分からんはずです。
花壇の縁の樹のブロックの割れ目の下に入り口がありました。
やれやれ。
後はアリ釣りの要領。
巣から出ようとするアリを割り箸に伝わらせ、一匹ずつ容器に移していきます。
(外から帰ってきたアリは一目散に巣に向かおうとするため、この方法では捕まらないことが判明)
一時間くらい粘って、ようやく十匹集まりました。

専門ではないので確信はできませんが、おそらくクロオオアリです。
違うにしても、土中の巣から連れてきたのでちゃんと巣作りをするはずです。
やれやれ。
・・・家に帰って気づきましたが、すごい勢いで虫に刺されていました・・・。
 
うわ。
ちょっと眼を離したすきにすごい勢いで掘り始めた・・・。

ちなみに、掘っているというよりは切り出している感じです。
一ミリ四方くらいのゼリー片が周囲に散乱しています。

 
= = =
 
「二階から目薬」





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