徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

三日目。

時差ぼけにつき0530起床。
日本時間では1930。
本日は終日フリー。
まずは朝飯を調達せねば。
現在マイナス14度。
最高気温はマイナス4度。
ポカポカ陽気だ。
 
雪が降ったらしく、そとはうっすら雪景色。
見事なパウダースノーが靴の下でギュウギュウ音を立てる。
ユニオン駅にて朝食を済ませ、(若干の苦労ののち)一日乗車券を入手。
地下鉄で移動してまずは、ナイアガラ発電所の創設者の屋敷、カーサ・ロマを見学。
日本語音声案内まで完備されており、マイセンの工場を彷彿させた。
写真。
 
次にトロント郊外にある科学館、オンタリオサイエンスセンターへ移動。
地下鉄でセントジョージまで行き、乗り換えてペイプ駅下車。
そこから市バスでセントデニス通に移動する。
…ただ、問題が。
市バスって、「次はどこそこ」ってアナウンスしてくれないのである。
しかも停留所に書かれている地名は小さくて読めたり読めなかったり。
挙句、フロントガラス以外のすべての窓は凍り付いてすりガラス状態で景色は一切見えない。
正直、現地人が当たり前のように目的地で降りていくのが不思議でしょうがない。
仕方ないので座席から身を乗り出して、フロントガラス越しに停留所名を読み取るのに集中する。
こうすれば、運が良ければセントデニスの次で降りられる。
…が、しばらくすると運転手が、「次がセントデニスだ」と教えてくれた。
乗る時にこのバスがセントデニスに行くか確認したのを覚えてくれていたらしい。
多謝!と礼を言い、無事サイエンスセンターに到着しました。
 
サイエンスセンターは中規模の科学館で、解剖学、電磁気学、力学・流体力学知覚心理学に関する展示が主。
子供向けなのであんまん先生はなにやら恥ずかしがっていましたが、そうじゃないのです。
各科学館というものは、その創設者が伝えたいことを独自の手法、思想で表現したもの。
つまりは科学教育のアイディアの結晶なわけで、すべての科学館は、それぞれ独自の展示装置を持っているのである。
加えて国外では、その国の文化的特異性も加わり、より興味深いものとなるわけで、それを科学者の視線で見学するのはとても有意義なのであった。
 
その後ユニオン駅に戻り、553mのCNタワーに上る。
強風のため一番上の展望台には上がれなかったが致し方なし。





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