徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

任務完了

いやートラブりました。
最終回がひどかった。
一回のクラスで定員30人のところ、運営の手違いで40人に増加。
ただでさえ道具が足りないのに、砂袋3つが忽然と消える。
どうやら盗まれた模様。
最悪である。
もうてんやわんやで20分も押してようやく終了。
…タスケテ。
 
= = =
 
暖かな呼び声を感じた。
 
ぬくもり。暗闇。
そのたった二つで構成された世界。
平穏。安静。
この完成された世界を発つ時が来たと、感じた。
 
もがき始めたことで、「体」の存在を知った。
しばらくの間、体の様々な箇所を動かしてみる。
伸ばした脚が壁に突き当たった。
堅い。
壊さねばならない。
しかし、どんなに蹴っても壁はびくともしなかった。
 
しばらくもがき続けると、自分の体にも堅い部分があることを見出せた。
力を込めて壁に打ち付ける。
何度か続けるとほんの微かだが、壁の向こうから何かが漏れ出した。
光の筋だった。
二度、三度と壁を穿つごとに勢いを増す光、その先に待つもの。
思わず声が出る。
すると光の向こうで、別の力強い「声」が応えた。
 
幾度も幾度も体を壁に打ち付ける。
光の筋は徐々に勢力を増している。
体が重くなる。
痺れるような疲労を感じる。
衝撃と疲労で、意識が薄れていく。
それでも、壁を穿つのは止めなかった。
 
――不意に、光が弾けた。
すべての闇は真っ白な光に置換される。
力いっぱい声を張り上げると、優しい声が応えた。
その声を仰ぎ、自分の新しい保護者を、確かに見た。
そしてその向こうには、青い空。
ヒヨコの空。
                                        ――『そら』
 
久しぶりに数行小説。
・・・新幹線で暇だったもので。





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