徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

日記代わりに

開発メモ。
 
葉子とタヌキに搭載されている対人好感度仮想表現機構KOKORO/1.0には幾つかの疑問点が存在する。
 
まず、その特徴とも言うべき緩衝機能。
例えば通常の好感度機構では、ゴーストの頭を撫でれば好感度が上昇し、それがゴーストの振る舞いを支配する。
しかし葉子とタヌキの好感度はそうではない。
起動中、ゴーストの頭を撫でると「感情値」――テンションが上昇する。
そしてその状態でゴーストを終了すると、感情値に応じて好感度が加算される。
そして、好感度を最大にするには、少なくとも20回程度の「終了」が必要である。
これは、感情値機構を実際の人間のそれに近付けるためであるが、問題がある。
現実での人間同士の接触と、人間とゴーストとのそれでは時間軸のスケールが異なるためである。
20回という終了回数が、多いのか少ないのか、まだよく分かっていないし、解明するためにはゴーストユーザがどのようにゴーストと付き合っているのかを統計的に調査する必要があるが、困難を極める。
いずれ、別の方面からの対策を模索していかなければならない。
 
またもう一つの問題は、葉子とタヌキでは女性ユーザを一切想定していないという点である。
KOKORO/1.0で言う好感度は、人間でいう恋愛感情、あるいは娘から父親に対する疑似的恋愛感情に近い。
故に、ユーザが女性であった場合、この機構が算出する値の意味は不明になる。
図らずも単純に「友情」に相当する意味合いを含んでくれていればよいが、あまり楽観視するわけにもいくまい。
吸血喫茶のレベルまで緻密に織り込むのは無理だが、これもいずれ、検討しなければいけない。
 
= = =
 
医大の日でした。
本日は時間がかかったものの、さしたるトラブルもなく終了。
やれやれです。





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