前回は「短くて簡単な英語ほど通じやすい」ことを殴り書きましたが。
実践しようとすると実はそれほど簡単ではないことがあります。
例えば何かの説明文を書く。
えーとじゃあ、エレベータの非常ボタンの説明文を書いてみましょう。
日本語なら、「非常の場合はこのボタンを押してください」ですかね。
これを英訳すると??
If you are in case of emergency, push this button.
直訳するとこんなん?
分かりませんが、これでも機械翻訳ではそれなりに日本語になりますから、たぶんネイティブにも通じるでしょう。
そして十分に短いし、簡単な英語な気もします。
でもIf文が入っているからちょっと難しい。
じゃあIf文をなくしましょう。
するともっと短く簡単になります。
Push this button to call operator.
(係員に連絡するためにはこのボタンを押してください)
=(このボタンを押すと係員に連絡できます)
和訳した時の意味は、
「非常の場合はこのボタンを押してください」
「このボタンを押すと係員に連絡できます」
まっっったく変わっています。
でも、何も問題ないはずです。
非常の場合にボタンを押すのは、誰かに助けを求めるためですからね。
そしてちゃんと、前の英文より短く簡単になっています。
この変換方法は、簡単。
「○○の場合は××してください」
という日本文を英訳したくなったら、
「××するためには○○してください」
と日本語を組み替えてから、英訳すればいいだけ。
Do 〇〇〇 to ◎◎◎.
あれしたければ、こうしろ!
魔法の構文です。
んでまあ、この手の簡潔な英文を指南している教科書はあんまり見たことがないので、おいらは独学しました。
簡単です。
生活空間にある「注意書き」に注目する。
論文では文字数制限なんてないですから、憎きネイティブどもは思うさま様々な英語表現を使いやがって我らを混乱させます。
しかし、「注意書き」。
さっきの非常ボタンの例なら、例えば電車の非常ボタン。
このご時世、かならず英文の添え書きがあります。
しかしこの添え書きは掲載スペースに限りがありますから、可能な限り簡潔に書かれています。
簡潔な英文=伝わりやすい英文。
こいつを見て、なるほどこういう表現があるんだなと、お勉強するわけです。
おいらがよく参考にするのはウォシュレットの注意書き。
出張でビジネスホテルに泊まり、ほっと一息。
さてクソでもヒるべとトイレに腰掛け、しばし暇になる。
そんなときすぐ横の壁を見ると、ほぼ確実にウォシュレットの使用方法が書いてあり、短い英文も併記されています。
クソをヒりながらお勉強、一石二鳥ですね。
電車に乗るとき、エレベータに乗るとき、車に乗るとき。
現代人に空白の時間は意外とありますので、そんなときは血眼になって注意書きを探しましょう。
徒然狸 ―タヌキの日記―
筆者は盲導犬を尊敬し、個人的に応援しています。
中部盲導犬協会:http://www.chubu-moudouken.jp/
日本盲導犬協会:http://www.moudouken.net/