徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

部屋干しの技術について

さてわたくしは完全なる部屋干し信仰者ですが。

(洗濯物にカメムシがつくとかもうあり得ない・・・)

困るのは春と秋。

すなわち、空調をいれるほど寒くも暑くもない時分です。

 

部屋干しの奥義、というか原理は、相対湿度のコントロールにあります。

洗濯物を室内で乾かす、ということはすなわち、洗濯物に含まれる水分をいかにして室内の大気に受け渡すかということになります。

 

まず基本として、部屋干し時は扇風機で洗濯物に風を当て続けます。

そして洗濯物の乾燥までに許される時間は2時間

これを越えると、例の臭いがし始めます。

 

部屋干しの奥義は、いかにして「湿度の低い」「高温の」大気を洗濯物に吹き付けるかにあります。

部屋に湿度計を設置して、その数値に注目することが大変重要です。

いいですか?これはもう物理学です!(笑) 

 

夏の暑い時分

部屋の湿度は60%ほどでしょうか。

ここに洗濯物を干し、扇風機で風を当てると、あっという間に湿度は70%を越えます。

これでは洗濯物に含まれる水は蒸発することが難しく、いつまでたっても乾きません。

そこで冷房を入れます。

すると暑い湿った大気は冷房の冷たいフィンに触れ、急激に冷やされます。

冷房の中では相対湿度が急激に高まり、フィンが結露します。

つまり、大気中の湿気が水となってフィンに奪われます。

湿気を失った大気は冷房から排出されます。

この乾いた空気は部屋の湿度を下げ、洗濯物から湿気を奪っていきます。

外気温が高い日は、これで十分に洗濯物が乾いていくでしょう。

しかしちょっと涼しい日、何時までたっても湿っているという場合。

(とくに雨の降っている夏の日なんか)

原因は、室温の下がりすぎです。

冷房で排出される空気は乾いていますが、温度が低い・・・イコール、洗濯物の湿気を奪う能力が落ちているのです。

乾いていても冷たい空気を吹きかけていたんでは、洗濯物はなかなか乾かんのです。

 

解決策としては

・冷房ではなく除湿モードを使う:大気中の水分を排除しつつ温度を保つ除湿モードのほうが、冷やす一方の冷房モードより部屋干しに向いています。

・冷房しつつ、温風機など別の熱源を作動させる:冷房は大気を乾かす係。温風機は大気を温める係。という役割分担をさせることで乾いた暖かい大気を作り出し、洗濯物の水分を強烈に奪うことができます。

・・・おいらは、冷房+布団乾燥機というコンビで動作させて、スーパー部屋干し空間を作ったりしています。

 

冬のめっちゃ寒い時分

一年で一番、部屋干しが簡単な時期です。

なにしろ、暖房していれば部屋の湿度は下がる一方。

どうやって湿度を上げようかしらん?などと贅沢な悩みが生じる時期です。

とにかく部屋を暖かくして、洗濯物に扇風機の風を当ててやればいいでしょう。

一時間内外で洗濯物はパリッパリに乾くはずです。

それでも乾きが悪いときは、部屋の中に湿気がこもってしまっています。

換気扇を入れて、外の乾いた冷たい大気を取り入れてやれば完ぺきです。

 

春とか秋の暑くも寒くもない時期

とても部屋干しが難しい時期・・・物理学的機転が問われるときです。

まず洗濯している間、暖房を入れて、部屋の気温をとにかく上げます。

これにより相対湿度が下がり、つまり、洗濯物の水けを大気が吸収しやすい状態を作ります。

そして、洗濯物に扇風機で風を当てます。

このとき、室内の湿度計に注目してください。

部屋の温度が上がり暑くて仕方なく、かつ、湿度が65%を超えるまで我慢します。

で、65%を越えたら、その状態でいくら我慢しても、もうこれ以上洗濯物は乾きません。

ここで作戦を切り替えます。

暖房を、冷房に変えます。

こうすることで大気に蓄えられた湿気がつめたいフィンに触れることで、水となり、室外に排出されていきます。

気温は下がりますが、室内空間は乾燥するため、洗濯物が乾きやすい状態になります。

このまま我慢して扇風機の風を洗濯物に当て続ける。

2時間ののちには、洗濯物はパリパリに乾いているでしょう。

 

 まじめな科学の話をした気になっている

徒然狸 ―タヌキの日記―

 

筆者は盲導犬尊敬し、個人的に応援しています。
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