徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

あの自販機について

全世界の変な自販機愛好家の皆さま、こんにちはわたしです。
さて変な自販機というか、レトロな自販機と言えばあれですよね。
うどんとそばの自販機。
カップ麺の自販機ではありません。
お金を入れてボタンを押すと、どんぶりに入った出来立てのうどんやそばが出てくるやつです。
この自販機、現存数がたいへん少なく、自販機マニアの間で注目を集めています。
こいつが実は、うちの割と近くにあることが判明。
電車一本、20分というところです。
早速GO。
駅から直線距離で700 m程ですが、実際の道のりは2 kmくらいでしょうか。
近くまでバスが通っている気配はありましたが、まあエージェントにとってはお散歩程度なので普通に歩くことにしました。
さて、田舎です。
うちも大概田舎ですが、輪をかけた田舎道。




 
幼いころから田舎道にあこがれていたのでルンルン気分です。
公道なのか畑なのかわからん道を進み、住宅地を抜け、長い峠道を登り切りようやく到着。
おお。
こんな立地なのに十数人の人だかりがあります。
そして憧れのあの自販機もちゃんとありました。
 

 
さっそく列に並び、うどんを購入。
 

 
おお。
見事に普通のうどんです。
これが機械から出てくるんだからすごい。
味は露店なんかで売られているそのまんまのうどんです。
薄手のプラどんぶりの風情と相まって素晴らしい昭和感を醸し出しています。
・・・ところで、結構な勢いで売り切れになるので業者の人がひっきりなしに補充しており、中の構造がよく見えました。
どんぶりにうどんと具材の入ったものが、機械内部でらせん状に並んでおり、購入する際にはそれが順番に取り出し口まで移動して、つゆがかけられる感じでした。
 
で、これまたレトロ自販機界で有名なトーストの自販機もありました。
 

 
ボタンを押すとアルミホイルに包まれたサンドイッチが加熱調理され、ホットサンドになって出てくるものです。
熱々の状態なので素手で取り出すのは難しく、トングが用意されていました。
 

 

 
ハムチーズは売り切れだったので、コンビーフを購入(ラスト一個でした)。
味はこれも見たままですが、レトロ感でうまさ倍増。
トーストとしての焼き目もしっかりついており、外はサクサク・中はふっくらの意外なクオリティでした。
 
ちなみにほかにも、ラーメンやハンバーガー、瓶牛乳などのレトロ自販機も大量に並んでいたので、次回再訪問して挑戦の予定です。
 
ときに思うんですが。
こういう自販機って昔はSAとかPAにたくさんあったはずなのです。
しかし今は、とにかく豪華にするのがブームのようで、地元の人気店だとかテナントを入れて、広々としたフードコートを構築するのが一種のブームのようになっています。
そりゃまあ、わざわざその土地の有名店を探し回るのに比べれば、SAの中に集結してくれていたほうが効率的です。
森博嗣博士の著作の中で真賀田四季博士が予言したとおり、現在の(当時でいえば未来の)世界では移動というものにエネルギーを使うのを極力避ける傾向にありますから、いきおいこのようなSAが増殖しているのでしょう。
しかし我々のようなレトロ自販機愛好家にある懐古主義的心理は誰の心にも必ずあるはずで、こういうものを集めたSAを作れば爆発的に人が集まるはずなのです。
また自販機メーカーも現在の技術を使って、昔見たあの自販機をより効率的に、衛生的に、昔の実機と見た目そのままに復刻することはできるはずです。
・・・これ、儲かると思うんですけどねー。
そりゃ、実現しようとすると様々な調整がどんなに大変なことかは、サラリーマンなら反吐が出るほどよくわかりますが。
うーん。
誰か・・・。
  
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
※注意事項
古い自販機のため、お札や新/旧500円玉に対応していないものが多く、つり銭切れも多発していましたので、ご訪問の際は100円玉・10円玉を多めにご持参くださいませ。
 

筆者は盲導犬尊敬し、個人的に応援しています。
http://www.moudouken.net/





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