徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

今週のお題 給食について

初めての給食を覚えているだろうか。
私の記憶がたーしかならば、小学校の最初の給食は牛乳だけだった。
入学初日だっただろうか。
参観日のごとく親がいて、下校の前のタイミングで給食としての瓶牛乳が配膳され、飲んで、片づけて、親と帰った。
つまりは給食の「練習」であった。
そらまあ、小学校入りたての子供にいきなりフルメニューの給食を配膳させて、食わせて、片づけさせたら阿鼻叫喚になるにきまっている。
なので練習があった。
さらに記憶が確かならば、2日目は牛乳とパンだった。
練習第二弾である。
パンはプレーンの丸いパンで、なぜか真ん中にへそのような突起がある、小学校生活で定番となるパンであった。
味はまあ、牛乳とそのパンでは明らかに味気ないやつであった。
ただ、単純にイベントとして楽しかったので文句はなかった。
で、三日目からはちゃんとフルメニューの給食になったのだと思う。
もうそこからはメニューの記憶はない。
 
ちなみに全メニューの中で一品だけどうしても食えなかったのは酢のものであった。
さすがに今となっては食えるが、未だに好んで食うものではない。
あと、もう一品、食えなくはないが大っ嫌いだったものは、なぜかコッペパン
その辺のパン屋やコンビニで売ってるような、可もなく不可もないコッペパンでは断じてなかった。
小麦粉と塩とイーストのみで作られるフランスパンともまた違う。
あれは子供のころから好きだった。
なんというか、バターやミルクの香りなんぞ一切ない、味もそっけもない、青臭いような小麦粉の匂いだけがただただ鼻につく謎のパンが年に何度か出てきて、あれだけは本当につらかった。
酢の物の場合は、配膳の際に「それ嫌いだからいらない」あるいは「ちょっとだけにして」といえばそれで済んだのだが、パンの場合はまさか食わないわけにもいかないし、半分だけというわけにもいかないから丸ごと鼻をつまんで食う羽目になった。
あれは何だったのか、未だに謎である。
・・・謎だが、もし今、あのパンが目の前に出てきたら。
もしかしたらおいしいと感じるかもしれないとか、そんな郷愁を覚えるから、給食というものは不思議なもんである。
 
徒然狸 ―タヌキの日記―
 

筆者は盲導犬尊敬し、個人的に応援しています。
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