徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

2つの衝撃

 
Kindle
読書が趣味で、でも本が増えるのは嫌いなのでKindleを購入し。
リミッター解除して思うさま読んでいたら、不穏な事実に気づく。
基本、日本語の本を読むときは、文法とか文体にいちいち感心したり感動したりするので、読書速度は速いほうではないはずです。
浅田次郎級の本であれば、上下巻でひと月は持ったはず。
が、Amazonの購入履歴を見てみると、2週間でおよそ4冊を読んでいる計算です。
むむ。
一冊平均600円として、このペースだと4800円/月。
・・・意外とそんなもんか。じゃあいいや。
ただ、なんでこんなにペースが上がったのかはなぞ。
そらまあ、読みたい本があったら瞬間的に買えてしまう、本屋を手中に収めた状態だからかもしれませんが・・・。
 
でまあ、輪違屋糸里(上)→同(下)→神々の山嶺(上)→同(下)と、読み進めています。
これを読み終わったら、「羆嵐」へGO。
 
パクチー
基本、食い物に関して好き嫌いはありませんが、どうしても食べられないものとして「パクチー」を筆頭に挙げていました。
8年ほど前、ベトナム料理店に行った際、これに遭遇しまして。
フォーを食べたのですが、一口食った瞬間に、げろを噴出しそうになりました。
もちろん堪えましたが、なんだこれはと。
この、ポリマーが分解したようなえぐい匂いは。
そのとき同席していた人物が、「わ、パクチーだ。にがてなんだよねぇ・・・」的なことを言ったため、僕はその正体をパクチーだと信じ、生きてきました。
万が一パクチー圏に侵入した際、餓死せぬよう「マイ・サイ・パクチーパクチーを入れないでください)」というタイ語も覚えました。
パクチーは人類の敵だ。そう思いました。
――時は流れ、昨日。
恩師の方々と共に、四川料理店に行きまして。
シメに麺料理を頼んだのですが、その上に香草らしきものが山盛りで載っている。
それを見た恩師が、「わ、これパクチーじゃないのぉ・・?」的なことを仰ったので、切り込み隊長を志願する。
その香草を一つつまみ、臭気判定。
・・・ハーブのような、さわやかな香りがします。
葉っぱをかじってみます。
やはりさわやかです。
茎をかじってみます。
独特なきつい香りはしますが、僕の化学頭脳で記憶している「パクチーのにおい」とはかけ離れています。
判定完了。
「これパクチーじゃないっぽいですよ」とグリーンシグナルを発信。
恩師もその料理に手を付けたのですが。
 
「タヌキちゃん、これパクチーだよ・・・」
 
とのご感想。
・・・お分かりいただけましたでしょうか。
これは大事件です。
僕の生死にかかわる大変な事態です。
 
僕は8年前に食ったとんでもねえ香草が、パクチーであるとずっと信じてきました。
覚えたマイ・サイ・パクチーという呪文は、まかり間違ってパクチー圏で遭難した際に、餓死を防ぐための命綱でした。
 
でも今回、これがパクチーだ!と言われた香草を食って、何ともなかった。
つまりここで、2つの可能性が浮上します。
 
1.8年間の人生経験により、パクチーが苦手な香りではなくなった。(実際、春菊や三つ葉は苦手なものから好物に変わっています)
2.8年前に苦手だと思った香りはパクチーではなく、別のものであった。
 
1ならばいいのです。
弱点が減ったということだから。
2だった場合。
万が一、タイとかベトナムで遭難したとき。
僕はもはや、自分の苦手なその香草の名前を知らず、それを回避する手立てももはや持ち合わせてはいないのです。
 
それは死を意味しているのです。
 
・・・ベトナム料理屋に通って、真実を確認せねばなりません・・・。 
 
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 

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