徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

玉掛け教習

昨日から三日間、社外の施設にて玉掛け教習です。
……例のフォーク教習と同じ施設です。
でまあ玉掛けとはなんぞやってはなしですが。
荷物をクレーンで釣り上げて移動させるとき、作業手順は「荷物にワイヤーを取り付ける」→「釣り上げて移動させる」となります。
このうち、「荷物にワイヤーを取り付ける」作業を玉掛けといいます。

取り付け作業がきちんとできていないとカジュアルに死の危険があるため、独立した免許が設定されているわけです。
つまり、クレーンで荷物を釣り上げて移動させるには、基本的に玉掛け免許とクレーン免許の二種類が必要なわけです。
ちなみクレーン免許は来週取得します。
 
うちはメーカーですから、試作実験をする際、工場設備を自分で動かします。
そういうとき、人力ではとても移動できない機材がたくさんあるので、フォークだのクレーンだのが必要なんですな。
・・・クレーンって、実際やってみないとわからない怖さがあるんですよ。
10tを超える荷物を持ち上げたりするとき、慣れてないと体の震えが止まらないとか、汗が滝のように出るとか、結構みなさんそんな経験されているようです。
荷物をワイヤーで釣り上げますが、そのワイヤーに挟まれれば指なんて瞬間的に飛ぶ。
ワイヤーが切れて飛んできた日には、顔面くらい簡単に裂ける。(反射的に手で防御したら手首から先がなくなった、という事例も)
荷崩れすれば、ニュートン力学に従ってなすすべなく吹っ飛んでくる。
・・・自動車とかでの事故って、やっぱりぎりぎりまでブレーキ踏んでいられたりとか、ハンドルを切って被害を抑えるとか、なにかしらリカバー操作ができることも多いじゃないですか。
クレーン事故の場合、あ、やばい、とおもったら、もうなすすべなく、物理学の法則のみによって自分の運命が決まる。
言ってみれば、意思の疎通がきかない、猛獣や毒蛇を相手にする怖さに似ているかもしれません。
 
で。
三日間のコースですが、頭の二日はまさかの座学。
玉掛け用具、玉掛けの方法、クレーンの知識、力学、法令。
いやん。
 
二日目の今日は、最後に学科試験。
クレーンの知識問題5問中2問に「アウトリガー」というピンとこない単語が出てきて焦る。
なんだそれ、酒の名前か?そらホワイトリカーだ。的な混乱の末、賭に出る。
問題自体は「次の中で間違っているのはどれか」系の四択。
『作業半径とは、アウトリガーと荷物の中心を結ぶ距離のことである』みたいな。
アウトリガーがなにかは謎ですが、2問のうちどちらも間違いでないとすれば、矛盾が生じます。
どちらかのアウトリガーは必ず間違っているはずなので、2問ともアウトリガーを選ぶまさかの御英断。
とかそんなこんなで、合格しました。
明日は実技です。
 
よい子の無駄知識
アウトリガーとは……
クレーン付きのトラック(ユニック)とかクレーン車で、クレーン作業をする際、車体の両脇から支柱が出てきて車体を支えるじゃないですか。
場合によっては完全に車体が浮く形になる。
あの支柱がアウトリガーでした。
 

図1 ユニック級クレーン付きトラック(Amazon殿より画像借用)
運転席後部より張り出している脚がアウトリガー。
 
明日役立つ無駄知識
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