徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

「・・・やはり最後の敵は、同じ人間だったな。」

さて、3月いっぱいでの任務終了が決まりましたが、つまりは、「4月以降は現任務を工場自身に移管できるよう準備を進めよ」という意味なわけで。新入社員になにをやらすか。
かなりの種類があった不良のうち、未だ原因不明なものの究明もさることながら、原因が明確でかつ対策が打てていないものを何とかしていかなければなりません。
つまりは、人為的なミスです。
大型機械を使った製造なので、ちょっとした設定ミス、配管ミスが致命的な不良大量生産につながります。
そして人間のミスが最も厄介な不良原因です。
現場では禁句ですが、人間なのでどうしてもミスはします。
それを防がねばなりません。
管理側の、最も頭の痛いところです。
・・・差別でもなんでもなく、現実、事実なのですが、生き方が全く違う人間が相手、というのも大きなところです。
まことにくだらない話ですが、東京では学歴を尋ねるとき、「大学はどこ?」と聞きます。
工場の中ですと、時にその質問は「大卒?」と変化します。
れっきとした事実であり、上層部と現場の認識や価値観を極端に隔てている、最も根本的な原因でもあります。
学歴云々という意味ではなく。
一つの見方をするなら、大学というモラトリアムを謳歌してからなんとなく大人になろうとした人間と、働くことこそ任務だと考えてきた人間、の二極。
単純に、価値観や文化が異なる人間どうしのすり合わせになってくるのです。
かたや「それくらい考えてやれよ」となり
かたや「そんな面倒なこと抜かすなアホウ」となる
そんな世界観です。
本来なら僕の手を出すべき、また手を出していい範疇ではないのですが、現任務を現場に移管する期限を間近に切られた以上、やるしかありません。
直上の上司にだけ情報を通しつつ、あれやこれやとやり始めています。
現場の人間にいかに負担をかけず、簡便で効果のある方法を提案できるか。
最後の二ヶ月の大きな課題です。 
 
たまには真面目な話もする、
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 

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