徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

また夏が

事業所の敷地内に、すごい勢いでトンボが飛んでいる。
そうか、今日から秋なんだな、とか。
あんなに待ち遠しかった夏が、今年も、ちょっと油断した隙に過ぎ去って行きました。 
夏の終わり。
 
だから僕は、秋が嫌いだ
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
 堤防に腰掛け夜空を見上げる。
「・・・今夜は、涼しいな」
「・・・ああ」
 吐き出した煙が、空を一瞬だけ白く染めて、
 そしてまた闇に吸われるのを、ただぼんやりと眺めていた。
「夏、もう終わりだな」
「・・・そうだな」
 そしてまた、紫煙をくゆらせる。
 たったそれだけの会話。
 また、夏は来る。
 分かっているのに。
 背後で打ち寄せている波音が、妙に耳について。
 数日前の記憶さえ、懐かしいセピア色をしていて。
 
 今年も、夏が終わる。
 
 

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