徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

停電とドライアイス

本日から一週間、大学は夏期休業に入り、入構禁止となる。
さらに、例年通り電気系の点検に伴う停電もある。
今年の停電は本日0830時から1730時までの九時間。
もちろん冷凍庫の電源も落ちるため、対策を講じなければならない。
バイオ実験で使う抗体などのタンパク質は、「一度融解するごとに活性が低下する」という性質があるため、なんとか凍結状態を保たなければならんのである。
しかも、250マイクロリットル(水の数滴分)で五万円程度が相場の超高級品なので、「融けちゃいました、てへっ☆」は許されない。
対策は三つある。
1、大学の動力室から小型発電器を借り、停電期間をしのぐ
2、クーラーボックスで試薬を家まで持ち帰り、入構禁止期間の間冷凍庫に保管すること
3、冷凍庫に大量のドライアイスを放り込み、停電期間をしのぐ
1に関しては却下。
発電器なんか運用したことがなくリスキーなうえ、途中で何度か給油が必要なため危険&面倒だからである。
そのため、去年と一昨年は2案を採用していた。
が、自宅から研究室までの一時間半、炎天下をクーラーボックスを抱えて往復するのは大変しんどいものがある。
しかも今年に入ってから試薬の種類が増えたため、この作戦は厳しくなってきた。
なので、今年は第3案を採用。
ドライアイスを15キロほど通販で購入。
停電の前に冷凍庫に放り込み、停電後に回収することに。
そんなわけで本日は0500時起床。
事前に入構申請をしてある0800時に研究室に入り、冷凍庫にドライアイスを投入。
0830時、退出。
九時間ほど暇なので、一度帰宅。
1800時、再度入構。
庫内からドライアイスを回収し、退出。
……別に回収することないじゃん、と思われるかもしれないが、そんなことはない。
実は、試薬用の冷凍庫にドライアイスを投入するのはあまり良くないのである。
ドライアイスは、二酸化炭素の塊。
二酸化炭素は水によく溶けるが、実は氷にもとけ込む。
すると試薬が酸性になってしまい、失活する恐れがあるためである。
まあ今回は短時間なのでそれほど害はないことを祈るばかり。
やれやれ。
 
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
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