徒然狸 -タヌキの日記-

――空。美しい空。悲しい空。何かを置き忘れてきてしまったような、空。

投票と無警戒な機械

期日前投票をしたので、本日は隣駅から研究室へ。
駐輪場を捜し、自転車を停める。
入口には「一日百円」とあるが、係員がいない。
謎だが、よく見たらなにか機械が並んでいる。
おお。
なにやらレトロな雰囲気で素敵です。
コインを入れる箱型の機械からワイヤーが一本伸びており、それを自転車に引っ掛けてから先端を機械に挿入することでロックされる。
で、100円入れると外れるらしい。
別に払わなくても停められる上、様々ないたずらが出来てしまうという無警戒っぷりがたまりません。
せめて100円を入れるとロックされる、という仕組みなら悪戯の大部分は回避できるのに。
久しぶりにいい機械を見つけました。
こういうのもこの先無くなっていくんだろうなぁ……。
 
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
風に押されるように 街を歩いてる
痩せた野良犬も 見かけなくなった
路地の屋台で聞いた ギター流し歌
そんな風情もまた 消えて行くのですか
小さな手を繋いで 夕焼け小焼けの道を
歌って帰った 昭和は夢の中
 
昭和浪漫
徒然狸 ―タヌキの日記―  

作成した基板にどれだけタンパク質が吸着するか、という検討をしています。
この実験、予備実験自体は去年からぽつぽつやっていたんですが、論文用のデータを取るために現在詰めているところです。
ただこの実験、誤差の出方が半端ではなく、最初に実験をしたときは算出された吸着量がマイナスになるなど無茶苦茶でした。
しかし最近になりようやく、測定誤差(サンプル作成〜測定までに発生する誤差)を無視できるくらいまで軽減することに成功しました。
ただ、まだ誤差が残っています。
基板ひとつひとつが吸着するタンパク質の量自体がかなりぶれるのです。
大体10〜15%くらいのブレかたです。
理由は簡単で、基板の裏側の一部が製造過程でどうしても剥がれたりしてしまうためと思われます。
こればかりは正直、どうしようもないのが現状です。
しかし、種類の違う基板間で統計的有意差を出すためには、どうにかして5〜10%に縮めたいところ。
今考えている作戦は、「なるべく似たような欠け方をした基板を使って実験する」ということだけ。
あとまあ頓知としては、基板の裏側をマニキュアかなにかで固めてしまえば、表側だけの吸着量データが取れるんでは、というのがあります。
何故マニキュアかというと、顕微鏡試料をプレパラート上に置き、そのうえにカバーグラスを被せて観察するとき、試料が渇かないようにカバーグラスのふちにマニキュア(無色)を塗布して封印する技がありまして。
でまあ連想しただけです。
……ただこれだと、マニキュアを綺麗に均一に塗布しないとまた誤差原因になるので、あまり採用したくないアイディアではあります。
スピンコートという均一塗布の技もありますが……。
あ、ひらめいた。
1、基板の裏側にマニキュアを塗布する
2、基板をカバーグラスに貼付けて固める
3、基板をカバーグラスごとタンパク質溶液に沈めて、吸着を見る
……これならすこし現実味はあります。
行き詰まったら試してみるか……。
 
徒然狸 ―タヌキの日記―
 
 
で、タンパク質分析のために、本日マシュー(遠心分離機)を初稼動しました。
サンプルをセットされるマシュー。
サンプルを12300G(重力の12300倍の遠心力)でブン回すマシュー。
遠心が終わったら「ピロリン」と電子音で教えてくれます。
よく考えたら、実験誤差を軽減できたのはマシューのおかげでもあります。
偉いぞ。
 
遠心機と話す
徒然狸 ―タヌキの日記―





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