夜。
どうものどが渇いたので台所へ。
冷蔵庫を開けると缶ビールが冷えている。
夕飯の残りの餃子もその辺にあった。
「ふむ」
オレはビールと餃子を持って部屋に戻り、ビールを開けた。
・・・しかし、それは罠だった。
缶ビールに仕掛けられた、この世でもっとも卑劣な罠だった。
・・・君は、凍った缶ビールのふたを開けたことがあるか?
しかもカチカチに凍っているならいざ知らず、シャーベット状の缶ビール、。
それはまず、空けた瞬間に、泡が吹き出る。
そしてその後、缶からは止め処もなくビールがあふれ続けるのである。
くそっ!嵌められた!!!!!!!
・・・ちなみになぜ凍っていたかというと、多分急速冷却するために冷凍庫に入れられたのが忘れられ、
しばらくしてから思い出されて冷蔵庫に移されたためだろう。
こうなった以上、とるべき道は二つしかない。
流し台において放置するか、なんとか飲むか。
もちろん、もったいないので飲むことにする・・・が、問題はどうやって飲むかだ。
缶からは常にビールが湧き出してはいるのだが、速度が遅いのでそれを飲んでいたら朝になってしまう。
オレは、次のような手段に出た。
・・・まず、缶を真ん中から切開する。
アルミ缶は意外に柔らかいので、紙を切るように、缶の腹を切ってみるとかんたんにまっぷたつにできます。
そして、なかのシャーベットを、大きめの容器に移す。
オレはコップとして使っている500ccのビーカーに移しました。
そして、そこに冷えてないビール、または凍ってないビールを注ぎます。
すると、普通に美味しいビールがいただけるのです。
・・・まあ、絶対量は二倍になりますが。
こうして、俺の戦いは、終わった・・・。